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那須川天心、世界4位に完勝で視界開けた…地域タイトルから世界挑戦へ「飛び級しようとすると痛い目を見るので」

スポーツ報知 / 2024年7月21日 5時0分

3回、ロドリゲスからダウンを奪いTKO勝利した那須川(カメラ・堺 恒志)

◆プロボクシング ▽契約体重54・4キロ以下10回戦 WBA世界バンタム級7位・那須川天心―同級4位・ジョナサン・ロドリゲス(20日、東京・両国国技館)

 WBA世界バンタム級7位の那須川天心(25)=帝拳=は、初の10回戦で同級4位のジョナサン・ロドリゲス(25)=米国=を3回1分49秒TKOで破り、キックボクシングから転向後4連勝を飾った。次戦は地域タイトル奪取を狙い、世界王者への道を歩む。

 勝利を確信して左手を突き上げた。天心は3回、左ストレートでぐらつかせると、左アッパーから右ボディー。最後はもう一度、強烈な左ストレートを叩きこみダウンを奪った。ロドリゲスは1度立ち上がったが、養父のインディオ・トレーナーが棄権を伝え、レフェリーが試合を止めた。

 1回から自らの間合いで戦い、完全にペースを握った。「場を支配する」がテーマだった試合は、圧倒的な内容で会場を熱狂させる、まさに有言実行。前戦は相手の負傷での決着だったが、今回は流れの中で文句なしのTKO勝ち。これまでは倒しきれないとの声もあり、マイクを握ると「やっと、やってやりましたよ。KOできないって言った人誰ですか」とドヤ顔を見せた。

 “異物”としての進化を示している。キック出身の天心は「ボクシングってこういうものという概念があると思うけど、それじゃない。スタイル、動きもボクシング界で珍しい存在だと思う」と言う。この日も相手が予想しない瞬間、場所でパンチを打ち、空振りはほとんどなかった。「自分が先に動いて、相手を(思うように)動かす」。流れの中で体を反応させるのが“天心流”だ。帝拳ジムの本田明彦会長も「今までのボクサーと間が違う。俺には考えられない動きをする。タイミングで打ち、タイミングでよける」とうなる。

 負けたら世界への道から後退する一戦に向け、スパーリングパートナーとしてWBO世界バンタム級3位のクリスチャン・ヒメネス(24)ら格上メキシカン2人を招へい。圧倒されて、叩きのめされる日もあり、キック時代にも経験のない環境で追い込んだ。「壁から逃げる人もいる。自分はチームと乗り越えた。それが試合に出た」。持ち前のステップワークだけではなく、スタミナ、精神面と心技体で磨きがかかった。

 上半身が大きく、足は細くというボクサー体形にも変身しての快勝。「自分の型が完成してきた」と喜ぶ。世界4位を破り、WBOでは世界4位以上へのランクアップが濃厚だ。次は自身がランキング1位で現在、王座が空位のWBOアジアパシフィックを筆頭に東洋太平洋などを含む地域タイトル挑戦が有力視される。

 「何かしらベルトは欲しいとは思う。飛び級しようとすると痛い目を見るので」。足元を見つめながら、来年末の世界挑戦を視野に入れる。天心が、日本人が君臨するバンタム級で大きな存在感を放ち始めた。(戸田 幸治)

 ◆那須川 天心(なすかわ・てんしん)1998年8月18日、千葉・松戸市生まれ。25歳。5歳で極真空手を始める。2014年にキックボクシングでプロデビュー。15年に史上最年少16歳でRISEバンタム級王者を獲得した。16年からRIZINで総合格闘技に挑戦。18年12月、フロイド・メイウェザー(米国)とエキシビションで対戦し1回TKO負け。キックは42戦無敗。23年2月、ボクシングのB級プロテスト合格。身長165センチの左ボクサーファイター。

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