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中谷潤人「ちょっと早すぎましたね」157秒腹パン一撃KOで初防衛 先月唇5針縫う怪我乗り越え28戦無敗

スポーツ報知 / 2024年7月21日 6時0分

1回、アストロラビオに左ボディーを決めてKO勝利の中谷(カメラ・小泉 洋樹)

◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・中谷潤人―同級1位ビンセント・アストロラビオ(7月20日、東京・両国国技館)

 WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(26)=M・T=が同級1位ビンセント・アストロラビオ(27)=フィリピン=を1回2分37秒KO勝ちで初防衛に成功した。

 わずか157秒。中谷は強烈な左ストレートをアストロラビオの胃袋に突き刺した。元世界2階級制覇王者リゴンドー(キューバ)に判定勝ちするなどの実績を持つ挑戦者は、すさまじい一撃に立ち上がることができなかった。相手からもらったパンチはボディーにたった1発。顔に打撃を受けなかった王者は「向き合った時は長くなるかなと思ったけど、ちょっと早すぎましたね」と笑った。

 大きなアクシデントを乗り越えていた。2月にアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に挑戦して6回TKO勝ちでWBC王座を奪取した中谷は5月下旬から約40日間、ロスで強化合宿を張ったが、6月中旬に、キューバ人選手との実戦練習中に相手の頭が当たり下唇が裂けて流血。緊急で5針縫う処置を受けるほどのけがは、これまでのボクサー人生で経験したことがなかった。1週間近くスパーができず、再開時にはフェースガードを装着した。

 そこでサンドバッグ打ちを工夫した。3~4つのバッグの間に立ち、足を使ってパンチを打ち分ける方法で、実戦練習不足のハンデを補った。観戦したドジャースの試合でホームランを見せてくれた大谷翔平投手に刺激を受けた3階級制覇王者は逆境をプラスに変えた。父・澄人さん、母・府見子さんは「安心しました」と苦境を乗り越えた長男を優しく見つめた。

 「さらなるビッグマッチを」と中谷。バンタム級は主要4団体王者は全て日本人で、リングサイドにはIBF王者の西田凌佑(六島)の顔も。次戦では統一戦を望む中谷は「自分をより強くしてくれる」と、WBA王者の井上拓真(大橋)との対戦を希望している。

 SNSなどではスーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)との対戦が求められている。「一戦一戦勝っていって、期待に応えられるようになれば、おのずと実現すると思います」。夢の対決へ、28戦無敗の王者はさらに強くなることしか考えていない。(谷口 隆俊)

 ◆山中慎介の目

 中谷には毎回驚かされるが、今回はさらに衝撃的な勝利だった。メインイベンターとして登場して左ボディーストレート一発で試合を終わらせてしまった。指名挑戦者(1位)が相手にもかかわらず、一発もパンチをもらっていない。すべてを兼ね備えたチャンピオンをしっかり証明した防衛だった。これだけ強いと挑戦者は名乗りをあげてこないだろう。他団体王者との統一戦実現に期待したい。

 ◆中谷 潤人(なかたに・じゅんと)1998年1月2日、三重県生まれ。26歳。中学1年からボクシングを始め、U―15全国大会で2連覇。中学卒業後、単身で米国留学。2015年4月にプロデビュー。16年度全日本フライ級新人王。初代日本同級ユース王者。19年2月、日本同級王座を獲得した。20年11月、WBO世界同級王座決定戦でマグラモ(フィリピン)に8回KO勝ちし王座獲得(2度防衛)。23年5月にWBO世界スーパーフライ級王座、24年2月にWBC世界バンタム級王座を獲得し、世界3階級制覇を達成した。172センチの左ボクサーファイター。家族は両親と弟。

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