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気になる歌舞伎俳優、中村亀鶴 感性の源に「ディズニー」 新橋演舞場に出演中

スポーツ報知 / 2024年7月21日 15時59分

「はなのお六」での中村亀鶴(C)松竹

 役の大きさに関係なく、この人が出てきたらうれしくなる、という役者が何人かいる。その一人が歌舞伎俳優・中村亀鶴(52)だ。今月は東京・新橋演舞場「七夕喜劇まつり」に出演中。「唐木の看板」では許嫁を探す商家のせがれを、「はなのお六」では情け深い親分と剛柔タイプの異なる役を演じ分けている。

 “気になる存在”になったのは、今月の舞台でもそうだが、関西弁の流ちょうさに驚かされるからだ。特に上方歌舞伎の演目では、この人がセリフを発すると空気が変わり、がぜん面白くなる。京都育ちの記者が見ていて別格に映る。セリフの抑揚と間、味わい。関西弁が持つ表現力の奥深さに改めて気づかせてもらい、感謝している。本人は京都府生まれだが、幼いころに関東に引っ越し。相当努力を重ねて身に付けたのだろう。

 6月は歌舞伎鑑賞教室「恋飛脚大和往来―封印切―」で丹波屋八右衛門、2月には大阪・松竹座「曾根崎心中」で油屋九平次で存在感を発揮していた。ともに金を巡ってそれぞれの主人公、忠兵衛と徳兵衛を追い詰めていく。緊迫のやり取り。侮辱された屈辱も相まって主人公は一線を越え、あの世への恋路に向かう。

 亀鶴がディズニー好きであることは、ファンの間では有名な話。「イメージと違うとよく言われますが、ディズニーおたくです。(創立者の)ウォルト・ディズニーに20年くらい前から興味があって。ディズニーは『笑いの中には哀愁がなければならない』とも言っていた。僕の座右の銘です。ただバカバカしく笑うのではなくて、笑いの中に愛があること。今月の舞台に出ていても感じることですね」

 ディズニーだけではない。ミュージカルも好きで宝塚歌劇も見ていた。亀鶴は、先日退団したトップスター、月城かなとの東京公演千秋楽の話をした。月城が、男役を通して学んだこととして「自分のこと以上に他人の幸せを願えること」と述べていたのが印象的だったという。「僕にはすごく刺さる言葉だったんですよね」。この人を少しだけ理解できたような気がした。触れる琴線の多さが、演じることにも生かされている。(記者コラム・内野 小百美)

 ◇中村 亀鶴(なかむら・きかく) 1972年6月18日、京都府生まれ。52歳。初代中村亀鶴の長男。祖父は4代目中村富十郎で祖母は初代中村鴈治郎の娘・中村芳子。76年、渡辺芳彦の名で初舞台(京都・南座)。90年国立劇場第10期歌舞伎俳優研修を終了。91年伯父・5代目中村富十郎門下となり、中村芳彦を名のる。2001年2代目中村亀鶴を襲名。09年坂田藤十郎一門に。二枚目、三枚目もできる芸域の幅広さに定評がある。

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