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興南のエース左腕が憧れ「琉球トルネード」と聖地へ…2年ぶり14度目出場「チームに流れを持ってくる投球を」

スポーツ報知 / 2024年7月22日 5時45分

サヨナラ勝利で甲子園出場を決め、歓喜する興南の選手たち(カメラ・浅岡 諒祐)

◆第106回全国高校野球選手権沖縄大会 ▽決勝 エナジックスポーツ3―4×興南=延長10回タイブレーク=(21日・セルラースタジアム那覇)

 沖縄では、10年春夏連覇の名門・興南が新鋭・エナジックスポーツに延長10回、タイブレーク勝ち。2年ぶり14度目の夏切符を手にした。

 真夏のセルラースタジアムにサヨナラ勝ちを告げる大歓声が湧き起こった。10回2死二、三塁。興南の代打・嘉数大毅(3年)が真ん中低めの直球を左中間へはじき返す。球が外野の芝に落ちた瞬間、普段ピンチでも表情を変えないエース・田崎颯士(3年)は「やってやったという気持ち。めちゃくちゃうれしかった」と満面に笑みを浮かべ、一目散に歓喜の輪に加わった。準決勝でKBC未来沖縄、決勝でエナジックスポーツと新興校を名門校の意地ではね返し、2年ぶり14度目の聖地切符を手にした。

 2日連続の先発となった左腕は、自己最速を更新する149キロの直球と変化球を武器に6回まで3安打無失点。しかし7回、安打と味方のミスで同点とされ、一度はマウンドを降りた。降板直後、すっかり弱気になったエースを我喜屋優監督(74)は「おまえしかいないから行け!」と一喝。タイブレークの10回1死一、三塁から再登板した田崎は「監督の期待に応えないのはエースとしてありえない」と最後の打者を「ベストボール」という外角低め直球で見逃し三振に斬り、サヨナラ勝ちにつなげた。

 興南エース左腕の系譜だ。2010年甲子園春夏連覇を成し遂げた島袋洋奨コーチ(31)に憧れ、「左投手といえば興南」でオリックスのエース左腕・宮城も輩出した名門に入部。1年秋から背番号1を勝ち取ったが、最後の夏を見据え練習に励んでいた昨年末に左肩を痛めた。今年の春季大会は欠場したがその間、ジャンプや瞬発力のトレーニングで下半身を一から強化すると、夏までに最高球速は一気に9キロ伸びた。島袋コーチは「直球に力があるし、全ての球でカウントが取れる。彼の方がいい投手」と称賛した。

 さあ夢の舞台。「チームに流れを持ってくる投球を意識して甲子園でも投げたい」。田崎は尊敬するコーチとともに「島袋2世」として聖地で“興南旋風”を巻き起こす。(浅岡 諒祐)

 ◆田崎 颯士(たさき・りゅうと)2006年11月17日、沖縄・うるま市生まれ。17歳。小学2年生から前原ルーキーズで野球を始め、伊波中で野球部でプレー。球種はスライダー、カーブ、カットボール、フォーク、チェンジアップ。遠投107メートル。趣味は三線(さんしん)を弾くこと。好きな言葉は「万里一空」。175センチ、66キロ。左投左打。

 ◆島袋洋奨と甲子園 興南の左腕エースとして、09年春から4季連続で聖地のマウンドに立ち、10年には史上6校目の春夏連覇を達成。その投球フォームから“琉球トルネード”と称された。計13試合に登板して11勝2敗。130奪三振。

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