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【中京記念】56歳横山典弘騎手が自身のJRA重賞最年長V記録を更新 相棒の初タイトル導き「最高にうれしい!」

スポーツ報知 / 2024年7月22日 6時5分

ゴール後、馬上で雄たけびを上げる横山典(カメラ・高橋 由二)

◆第72回中京記念・G3(7月21日、小倉競馬場・芝1800メートル、良)

 サマーマイルシリーズ第2戦、第72回中京記念・G3は21日、小倉競馬場の芝1800メートルで争われ、5番人気のアルナシームが重賞初制覇。横山典弘騎手(56)=美浦・フリー=は自身の持つJRA重賞最年長V記録を更新した。

 絆でたぐり寄せたタイトルだ。アルナシームは2番枠を利し、コーナーをロスなく回る。最初の1000メートル通過が57秒5のハイペース。課題の折り合いも難なくクリアした。4角では下がる馬が出るなか、横山典は狭いスペースを巧みにさばいて4番手に浮上。残り1ハロンでエルトンバローズを振り切ると、内から追いすがるエピファニーの強襲も首差しのいだ。9回目の重賞挑戦でついに勝利。鞍上は「最高にうれしい!」と声を上げて検量室に戻ってきた。

 日本ダービー3勝の名手が「とても繊細な馬で、リズムをとにかく気をつけた」と語ったように、ポイントはメンタル面だった。この中間は3週連続で追い切りに騎乗。またがらない日もアルナシームのもとに歩み寄り、陣営と積極的にコミュニケーションを重ねた。クロス鼻革を外すことも提案。「攻め馬から橋口先生と、厩務員さんと3人であれこれ考えながら仕上げてきた」。チーム一丸の姿勢が結実した。

 橋口調教師も「言うことのないレース。ジョッキーも完璧に乗ってくれた」と満面の笑みで迎えた。21年朝日杯FSで4着と、早くから素質の片りんは見せていた。だからこそ、結果が出ないのがもどかしかった。「典さんのアドバイスがありがたかった。重賞は勝たせないといけなかった馬。やっと取れました」と胸をなで下ろした。

 自身が持つ、JRA重賞最年長勝利記録を56歳4か月29日に更新したベテランは「アルナシームと勝ててうれしい。このままいい状態で秋を迎えられたら」と期待を込めた。更なる高みを目指して、アルしゃん(愛称)の戦いは続く。(山下 優)

 ◆アルナシーム 父モーリス、母ジュベルアリ(父ディープインパクト)。栗東・橋口慎介厩舎所属の牡5歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算20戦6勝。総獲得賞金は1億6164万2000円。重賞初勝利。馬主はライオンレースホース(株)。

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