【高校野球】和歌山南陵、甲斐三樹彦理事長「一区切りじゃない、第一歩目です」学校再建へ一歩ずつ前へ
スポーツ報知 / 2024年7月24日 11時55分
◆第106回全国高校野球選手権和歌山大会▽3回戦 智弁和歌山7―0和歌山南陵=7回コールド=(23日・紀三井寺)
和歌山南陵のレゲエ調の校歌をもう一度グラウンドに響かせることはできなかった。学校の経営体制一新に伴い、新入生徒の募集を停止。準じて野球部は今夏で一時休部となる。岡田浩輝監督を先頭に球場から出てきた和歌山南陵の選手たちへ、多くの人から「ありがとう、お疲れさま」と温かい声が飛んだ。
初戦の紀北農芸戦(16日・紀三井寺)で勝利し、「Yeah Yeah Yeah…」から始まる斬新な校歌が話題を呼んだ同校。シンガーの横川翔、レゲエシンガーのWARSAN、人気レゲエグループINFINITY16らが手がけた新校歌には、今年4月から学校の理事長に就任した甲斐三樹彦氏も作詞で携わり、歌詞に思いを乗せたという。甲斐理事長は「一歩前へ」、「泥だらけのスニーカー」、「くだらないことも笑いに変えようぜ」という言葉には「今の学校の状態ははっきり言って泥だらけのスニーカー。一度でプラスにできるものではない。再建にしても一歩ずつ一歩ずつということです。生徒たちを満足してあげられない部分もあるけれど、そこもワンチームで笑いに変えようって」と一文ずつに意味を込めた。
理事長就任後すぐに、「前までのを要素を全部変えて、新しい和歌山南陵を作っていきたかった」と校歌をはじめ校訓なども一新。全寮制ということもあり、「親御さんにも子どもたちが笑っている姿を届けたい」とYouTubeチャンネルも開設した。生徒新規募集のためのクラウドファンディングなど、新たな試みを次から次へと行動に移している。現在の18人いる生徒に対しても、「満足できる出口まで、できる限り、全力でサポートをする」と決意する。
いずれは「勉強だけでなく、社会を教えられるような学校にしたい」と話す甲斐理事長。自衛隊や、一般企業、施設などとタイアップし、グローバリズムはもちろん、ナショナリズムも追求し、学校という枠組みを超えていきたいと明かす。
理事長は、「10人で最後まで堂々とやってくれた。これは一区切りじゃない、第一歩目です。彼らが作ってくれたものをつないでいきたい」と選手たちへの感謝を決意に変えた。またレゲエの校歌がグラウンドに響くその日まで、絶えず「一歩前へ」。和歌山南陵が新たな未来へ力強くスタートを切った。
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