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【高校野球】「味わったことのない景色」東海大相模の元巨人ドラ1指揮官、「夢中」就任4年目初甲子園に涙

スポーツ報知 / 2024年7月25日 5時15分

選手からウィニングボールを受け取り感極まった表情を見せる東海大相模・原監督(カメラ・頓所 美代子)

◆第106回全国高校野球選手権神奈川大会 ▽決勝 東海大相模6―4横浜(24日・横浜スタジアム)

 神奈川では、東海大相模が横浜との名門対決を6―4の逆転で制し、5年ぶり12度目の夏の甲子園出場を決めた。2021年9月から指揮を執る元巨人捕手の原俊介監督(46)が初の夏切符をもぎ取った。

 夕暮れのハマスタで8度、宙に舞った。原監督は選手たちに全ての体重を預け、勝利の余韻に浸った。「大会前、『6キロ痩せたから、胴上げ頼むぞ』と言ったんですが、大会中に元に戻っちゃって。『重いんでけがするなよ』と。今の体重はナイショです。そこから見た生徒の笑顔やみんなの姿は、味わったことのない景色でした」。就任4年目。激戦区・神奈川の168チームの頂点に立った。涙は、うれし涙に変わっていた。

 両校計27安打。死闘だった。2点ビハインドの劣勢でも「必ずチャンスは来るぞ」「その時に風穴を開けるぞ」とナインを鼓舞した。8回1死満塁。1番・三浦誠登(2年)の中前2点打で同点に追いつくと、3番・中村龍之介(2年)の左中間2点二塁打で勝ち越した。準決勝の向上戦に続き、2試合連続で8回に逆転。同じ6―4で勝ちきった。「本当に苦しかった。甲子園に行くのは大きな目標の一つ。プレッシャーもあった。今年やっと、その地に足を踏み入れられる」。涙は乾き、笑顔で言った。

 東海大相模の監督として初めて臨んだ22年夏の神奈川。決勝の横浜戦で8回まで0―0だったが、9回にサヨナラ負け。0―1で夏切符を逃した。「きょうと同じ三塁側。あの思い出を忘れることはなかった」。昨秋の県大会準決勝でも、横浜との延長10回タイブレークで4点を取ったその裏、5失点で敗れた。“横浜に勝って甲子園”が選手の合言葉になった。指導では心の部分も重視。ナインは殊勲打を打っても派手なガッツポーズを出さず、次のプレーに集中する。「最後まで集中力を保とう。スキを見せると崩れる」。指揮官の思いを全員が体現した。

 体育科教諭。寮に寝泊まりすることもあり、ナインと同じ釜の飯を食う。好きな言葉は「夢中」だ。「彼らは2年3か月という高校野球を、夢の中で一生懸命やっている。これが尊い。甲子園では積極的な攻撃で、堂々と戦いたい」。縦じまのプライドを胸に、9年ぶりの深紅の大旗を奪いにいく。(加藤 弘士)

 ◆原 俊介(はら・しゅんすけ)1977年8月30日、神奈川・秦野市生まれ。46歳。東海大相模では3年センバツに「4番・捕手」で出場。95年ドラフト1位で巨人入り。1軍初出場の2003年3月29日、中日戦、代打でプロ初打席初安打初打点をマーク。翌30日の同戦でプロ1号。06年限りで引退。プロ通算68試合、打率2割2分4厘、3本塁打、10打点。16年に東海大静岡翔洋監督、21年9月から東海大相模監督に就任。右投右打。

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