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【高校野球】愛知を沸かせた名古屋たちばな…強さの秘密は鈴木監督の人柄

スポーツ報知 / 2024年7月24日 23時26分

マウンドに集まる名古屋たちばなナイン

◆第106回全国高校野球選手権愛知大会 ▽準々決勝 中京大中京6―5名古屋たちばな(24日・岡崎市民)

 勝利まであと一歩だった。中京大中京と準々決勝で対戦し、5―6で惜敗。1点を追う9回裏に1死一、三塁としたが2者連続三振で試合終了。一時は3点をリードしたが7回に4点を失い、逆転負けを喫した。

 春に校名が愛産大工から変わった。3回戦で享栄、4回戦で大府、5回戦で愛工大名電と愛知を代表する強豪に勝ち続ける快進撃を見せた。注目カードを一目見ようと球場には多くの観客が詰めかけ、鈴木将吾監督(48)が車で球場入りする時には駐車場が満車となり、一度は断られたほどだった。

 熱い戦いを見せた選手の多くは、指揮官の人柄に惹かれ入部を決める。ある部員は「鈴木先生と一緒に野球をやりたいという生徒が集まった」と明かす。

 松尾一基部長(46)も指揮官に惚れた一人だ。監督と部長はともに中京大中京出身で監督が1学年先輩。松尾部長が高校1年時、グラブがなくなり、中学時代のボロボロのグラブを使っていた。すると鈴木監督が気づき、持っていたグラブを周りにばれないように「これ使え」と1つ渡したこともあった。選手のスカウトは基本的に松尾部長が各地に足を運ぶが、一緒に大会を見に行くこともあるという。出会ってから30年間で築いてきた信頼関係は、チーム編成にも役立っている。

 浅井太介遊撃手(2年)は4番ながら172センチ68キロ。中学時代は控えの選手だったが光るものがあったという。松尾部長は当時について「守備はいいし、体は小さいけどバットコントロールはよかった」と振り返る。東邦、中京大中京、愛工大名電、享栄が私学4強と言われる愛知だが、浅井は「鈴木先生の『4強を倒して甲子園』という強い気持ちに押されて入りました」と明かし、続けた。「人としても尊敬できますし、練習のときは厳しいですけど、練習じゃないときはみんなを楽しませてくれる。そういうところがすごく好きです」。

 熱戦を終えた指揮官はこう切り出した。「本当に強豪が胸を貸してくれたおかげ。練習試合をお願いすればいつも受けてくれて」。対戦相手に感謝を繰り返す姿に人柄がにじみ出ていた。中京大中京とは練習試合で完敗していたが、あと一歩のところまできた。「やっぱり高校野球はやってみないとわからない。子どもたちは本当にすごい可能性を持っている」と心から言った。

 初の甲子園出場はならなかった。鈴木監督は「この大会を通じて、対戦した学校のおかげで強くなった。最後まで諦めず頑張った」と選手たちをたたえた。激戦区の愛知で甲子園に出場することは決して容易ではないが「愛知県はやっぱり険しいですけど楽しいですよ」と穏やかに笑った。確かな実力を披露し、「たちばな」の名を知らしめた今大会。甲子園に出場する未来もそう遠くない。(臼井 恭香)

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