【阪神】森下翔太の復活弾で３位浮上「オリンピックに負けないように。ここから勝ち続けて必ず優勝したい」

７回２死一、二塁、森下翔太が左翼へ３ランを放つ　（カメラ・豊田　秀一）

◆ＪＥＲＡセ・リーグ　阪神５―１中日（２６日・甲子園）

　両手に残る感触が心地良かった。阪神・森下が２―１の７回２死一、二塁、左翼へ７号３ラン。６月２日のロッテ戦（ＺＯＺＯ）以来、甲子園では４月２６日のヤクルト戦以来の一発に「この感触をずっと待っていた」と感慨にふけった。

　夏になれば思い返す原点がある。５年ぶりに夏の甲子園出場を決めた母校・東海大相模での日々だ。好機を想定したケース打撃に地道なティー打撃…。「大好きな野球でも、行きたくないくらい死ぬほど練習して。でも、終わったら自信に変わって」。どんな場面でも動じないメンタルには、鍛錬に裏付けられた確固たる自信が必要だと心得た。

　７月６日に今季初の２軍落ち。しゃく熱の鳴尾浜球場でその原点に立ち返った。アッパー気味になっていたスイングを改造。全体練習後も室内練習場で課題と向き合った。１９日の１軍復帰から４戦目での待望の一発に「あの期間で打撃を見つめ直すことができた」と吹っ切れた表情を見せる。６月１９日の全体練習中に異例の公開指導を行った岡田監督も「少しはマシになった。やろうとしている姿があればいいねん。ほんなら良くなってくる」と評価した。

　チームは甲子園の中日戦で今季５勝無敗。首位と３・５ゲーム差で１１日以来の３位に浮上した。いよいよパリ五輪も開幕だが、森下は「オリンピックに負けないように。ここから勝ち続けて必ず優勝したい」と約束した。ここから始まる真夏の逆襲劇。主役は譲らない。（直川　響）