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小橋賢児さん「攻めた姿勢うらやましい」パリ五輪開会式演出は日本だったらアイデアの時点で却下…東京パラ閉会式演出家

スポーツ報知 / 2024年7月28日 5時0分

パリ市内で偶然IOCのバッハ会長(左)と遭遇した小橋賢児さん

 パリ五輪の開会式が26日、パリ中心部のセーヌ川で行われた。2021年の東京パラリンピック閉会式で演出を担当した元俳優でクリエイティブディレクターの小橋賢児さん(44)は、現地パリで目にした開会式への思いを語った。

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 現地で開会式を見つめた小橋さんの第一の感想は「この時代の中で『攻めた姿勢』を見て、うらやましいものがあった」だった。セーヌ川で船を使っての入場行進に、18世紀のフランス革命で処刑されたマリー・アントワネットが自らの首を持ってのパフォーマンス…。「日本だったらアイデアの時点で却下されるだろうなと思います」と苦笑する。

 なぜ、日本では無理で、パリでは実現できたのか。「(アントワネットの)演出自体がいいか悪いかは別として」とした上で、“芸術の都”という歴史の前提があると小橋さんは分析する。「芸術はきれいごとだけではない。魂を震わせるようなものを作ろうと思ったら、時にむき出しで攻撃性のあるような表現方法も取る。そこには賛否両論が付きもの。今回の開会式においても賛否両論を受け入れ、それでもやり抜く態勢が街や国全体にあるのではないかと感じました」

 船を使っての入場行進は、演出家目線では一般の感覚よりも難易度の高いものだったようだ。最初に聞いた時は「とんでもないことが起こるな」と思ったという。通常、入場行進パートは行進の様子だけが放送され続けるが、今回は芸術演出のパートがカットインした。

 「それぞれの国を映す順番が決まっている中で、その国が何分にどこにいるか。カメラに映る位置、背景が絵になる場所なのか。考えられないような緻密(ちみつ)な計算が必要となる演出で、テロ対策など警備の面を考えても、並大抵のものではないです」。それを成功させたことに感心していた。

 一方、ひとつの舞台のような一連のストーリーが演出されたことには「あえて厳しめにいうと、ところどころに『まだこの演出が続いていたんだ』とフレンチのコース料理のような長さを感じる部分があった」と指摘。「舞台や映画では普通ですが、現代のYouTubeやTikTokなど、短くわかりやすいコンテンツに慣れた若者にとっては、ヌメッと感じた部分はあるのではないか」。それを踏まえた上で、街全体を使った異例の演出は「やってみたいです。うらやましい」と繰り返した。

 今回のパリ訪問にあたり、小橋さんは現地の友人5、6人に声を掛けたが、「全員パリにいなかった」という。「数日前からQRコードがないと近づけない場所があったり、警戒が厳しく、現地に住んでいる方は長期休暇で国外旅行に行っている人も多いようです」。日常生活を送るにはやや厳しい環境のようだ。

 ◆小橋 賢児(こはし・けんじ)1979年、東京都生まれ。44歳。The Human Miracle株式会社代表取締役/クリエイティブディレクター。88年に俳優としてデビュー。07年に芸能活動を休止し世界中を旅する。21年、東京2020パラリンピック競技大会閉会式のショーディレクターを務める。25年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の催事企画プロデューサーに就任。

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