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【元大関・琴風の目】照ノ富士の立ち合い失敗は作戦ミスか

スポーツ報知 / 2024年7月28日 5時35分

隆の勝が照ノ富士(右)を寄り切りで破る(カメラ・馬場 秀則)

◆大相撲 ▽名古屋場所14日目(27日・ドルフィンズアリーナ)

 東前頭6枚目・隆の勝が、初優勝に望みをつなぐ大きな金星を挙げた。1敗で単独首位の横綱・照ノ富士に寄り切りで快勝。優勝争いは2敗目を喫した照ノ富士と、3敗を守った隆の勝の2人に絞られた。逆転Vには千秋楽で自身が新関脇・大の里に勝ち、照ノ富士が大関・琴桜に敗れた上で、優勝決定戦で横綱に勝利することが条件となる。

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 波乱の結び。隆の勝の電車道を褒めるより、照ノ富士の立ち合いの失敗を指摘したい。今場所は左足から踏み込んで右肩から当たっていた。それが右を抱える中途半端な立ち合いになってしまった。馬力のある隆の勝に右を外され左のハズ押しから右のど輪。腰が浮いてしまったことも敗因の一つ。隆の勝も軽いと感じたはずだ。あの体勢では照ノ富士に残す力はない。

 作戦ミスなのか。11日目、大の里に勢い余って負けた相撲とは違う。別人の立ち合いだった。これが相撲の怖さ、15日間の魔力かもしれない。毎日、同じ立ち合いはできないが、右を抱えるという選択肢には首をかしげるしかない。

 それでも千秋楽は照ノ富士を信じたい。古い人間としては3場所連続で横綱、大関が優勝を逃すのは許されない景色だ。締めは照ノ富士、綱に笑ってほしい。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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