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【パリ五輪】銅メダル獲得の永山竜樹 きのうの敵はきょうの友 最強ライバル高藤直寿が支えた五輪ロード

スポーツ報知 / 2024年7月28日 7時30分

銅メダルを獲得した永山竜樹(右から2人目)(カメラ・岩田 大補)

◆パリ五輪 第2日 ▽柔道(27日・シャンドマルス・アリーナ)

 柔道男子60キロ級で初出場の永山竜樹(28)=SBC湘南美容クリニックが銅メダルを獲得した。初五輪までの道のりを振り返る上で欠かせないのが、長年激しく代表を争ってきた高藤直寿(31)=パーク24=の存在だ。同じ階級の東京五輪金メダリストが、永山とのライバル物語を語った。

* * *

 高藤が東海大4年時に入学してきたのが永山だった。最軽量級で部内で強さも突出していた2人は、自然と一緒に稽古をするようになった。当時の印象を「練習に取り組む姿勢も真面目で、60キロ級の中でもかなり小さい(身長156センチ)ので、やりにくい。切れる技もあって、これは強いなと感じた」と振り返る。

 初めて対戦したのは16年12月のグランドスラム(GS)東京大会決勝。銅メダルだったリオ五輪の直後に一本負けを喫した。「正直、まだ負けないだろうと思っていたけど、一気に成長して強くなっていた。これは結構まずいな」と危機感を抱いた。世界選手権は17年から3年連続で1階級2人派遣。し烈な争いを制して出場した東京五輪で頂点に輝き「先輩の意地があったし、そういう関係性が僕を強くしてくれた。永山選手がいなかったら、リオと同じような負け方をしていたかもしれない」と感謝する。

 パリ五輪選考レースでは22年世界選手権で優勝するなど大きくリードする一方で、永山は低迷が続いた。だが、頭の片隅には「こんなはずじゃない。永山選手はそんなに負けるような選手じゃない」と、ライバルの存在があった。勝てば代表が確実視された23年5月の世界選手権で5位にとどまり、国際大会3連勝の永山に猛追された。最終決戦となった12月のGS東京大会。決勝の直接対決で敗れて逆転を許したが「よく気持ちを切らさず、追い上げた。純粋にすごい」とたたえた。

 バトンを託した永山は5月の世界選手権で初戦敗退を喫した。不調に苦しむ姿を見ると、すぐに「サポートするから。いつでも呼んで」と連絡を取った。東海大に何度か足を運び、数年ぶりに行った乱取りではこれまで取り組んできた永山対策の全てをぶつけた。「こっちが研究していたところを全部出して、とことんまで追い込んで何本でも連続でやる。永山選手が弱点を克服するためには、それが一番いいなと思った。僕をボコボコにできたら五輪は優勝できるよ、という思いで練習していた」と明かした。

 2大会続けて五輪代表を争った間柄だが「勝ってほしいなっていう気持ちが一番」と、この日も現地で全力で応援した。「大学時代は2人で毎日練習や研究をしていた。元に戻っただけ」。頂点には届かなかったが、思いを乗せて、ともに戦い抜いた。(林 直史)

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