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20年前と重なる雰囲気 アテネ五輪の金メダリストが育てた「体操ニッポン」栄光への架け橋再び

スポーツ報知 / 2024年7月29日 11時0分

2004年アテネ五輪・体操男子団体で金メダルを獲得した日本代表

 体操男子日本代表は29日(日本時間30日)、パリ五輪団体決勝で、2016年リオデジャネイロ五輪以来の金メダルに挑む。王座奪還を目指す5人は偶然にも、04年アテネ五輪の団体金メダリストに育てられた。セントラルスポーツで順大出身の橋本、萱、谷川は冨田洋之氏(43)、初出場で徳洲会所属の岡、杉野は米田功氏(46)に指導を受けてきた。世界一を知る“恩師”とともに磨き上げた体操で、最大のライバル・中国との一騎打ちに勝ち、再び「体操ニッポン」の黄金期を築き上げる。

 28年ぶりの団体金メダルで「体操ニッポン」復活ののろしを上げた04年アテネ五輪。当時NHKアナウンサーの刈屋富士雄氏の「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ」の名実況とともに、冨田氏が鉄棒の着地を決めた場面は、今でも伝説として語り継がれる。そして今から20年前、その快挙を見ていた子どもたちこそが、今のパリ五輪代表だ。

 橋本は6歳の頃、冨田氏に握手をしてもらったことがある。「むちゃくちゃうれしかった」。金メダリストの手の感覚を鮮明に覚えている。サッカー、野球と続かなかった萱は、アテネ大会を見て「やる」と体操の道へ。岡も「五輪」と言えば「アテネ」だと語る。

 橋本は冨田氏とともに21年東京五輪に臨み、史上最年少で個人総合を制し、種目別鉄棒も優勝した。一方、パリまでの3年間は苦労の連続。腰の疲労骨折、過去の自分との比較、重圧とも闘った。どんな困難も橋本はとっては進化の原料。心技体全てにおいて「すごく成熟している感じがする」と冨田氏。花の都で魅せる体操に、期待を寄せている。

 また、冨田氏は主将の萱は「動きやセンスは正直、一般の選手と同じ」と言うが「ストイック」と努力の姿勢を称賛。谷川は「不器用な部分はある。ただ、瞬発力は普通の選手よりすごい」。“教え子”たちは世界一の可能性を秘めている。

 一方、初出場の岡と杉野を指導する米田氏は「2人はキーマン」と見ている。美しく、技一つひとつが一級品の岡は例えると「フェラーリ」。一方の杉野は「自転車」。遅咲き初代表の25歳は「諦めずにガンガン漕いでくる。不可能だと思うことを可能にしていく選手」。2人の完成度が、メダルの色を左右する。

 アテネ五輪は「(チーム全体が)低い基準を受け入れなかった。質の高いものがどんどん出て、みんな上がっていった」と米田氏。そしてパリ五輪代表にも「その雰囲気が巻き起こっている感じがする」。20年前との重なりを感じている。団体を制した“先輩”は日本の金メダルを信じている。(小林 玲花)

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