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隆の勝「自分の相撲を取りきる勇気をもらった」 同部屋の貴景勝の気迫を胸に上がった優勝決定戦の土俵

スポーツ報知 / 2024年7月28日 22時42分

隆の勝

◆大相撲 ▽名古屋場所千秋楽(28日・ドルフィンズアリーナ)

 東前頭6枚目・隆の勝(常盤山)は充実した表情に満ちていた。本割では関脇・大の里(二所ノ関)を押し出しで撃破。1差で先頭を走っていた横綱・照ノ富士(伊勢ケ浜)が敗れ、優勝決定戦となったが、最後は横綱の意地に屈して賜杯を逃した。「めちゃめちゃ悔しい。優勝は簡単にできないと思い知らされた。勝ち切れなかったけど、横綱と千秋楽まで争ったことが自信になる」と手応えを語った。

 同部屋の大関・貴景勝は「負けたくない」と、切磋琢磨しあってきた存在。稽古場で多くを語り合うわけではないが、隆の勝が勝ち越しを決めた翌日の稽古場ではグータッチを交わし、互いを認め合う。

 本割が終わって横綱の結果を待つ支度部屋で、隆の勝は大関の取組を見守った。「体も完璧じゃない大関。自分は膝ぐらいで弱音は吐けない。自分の相撲を取りきる勇気をもらった」。大関の気迫を胸に2度目の土俵へ。惜しくも敗れたが、今度は優勝決定戦を見守っていた貴景勝が支度部屋で出迎え。大関は無言でうなずいたが「『お疲れ様でした』というメッセージに聞こえた」と、戦友からの無言のエールに笑顔がこぼれた。

 12勝3敗の活躍で3度目の敢闘賞を受賞。「久しぶりの受賞でうれしい。次は三役復帰を目指して稽古したい」とおごることなく、先を見据えた。(大西 健太)

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