1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

【パリ五輪】阿部一二三の3連覇へ「力強い柔道を幹に、枝葉をつけていくことが大事」…中村兼三氏 

スポーツ報知 / 2024年7月29日 6時0分

金メダルを手に笑顔をみせる阿部一二三(カメラ・岩田 大補)

 一二三の強さが光る連覇だった。ライバルたちが研究、警戒する中で自分の柔道を出し切るのはなかなかできることじゃない。両袖を持ちながら、うまくコントロールして袖つり込み腰や大外刈りなど多彩な技につなげる。あの形になったら一二三は強い。

 初戦を迎える前に、妹の詩が敗れた。目標だった兄妹での連覇が消え、動揺はあっただろうし、柔道の怖さを改めて感じたと思う。序盤は安定していないようにも見えたが、冷静さは忘れていなかった。順調に勝ち続けてきた妹に対し、兄は東京五輪前、国内の代表争いで敗戦を喫したこともあった。その経験が、大一番のきつい戦いの中で生きたと思う。詩の思いを受けながら、そういう状況でも勝ちきる技を見せたのはさすがだ。

 パリに到着した時の表情を見たが、頬がこけていた。減量を計画的に長い時間かけながら慎重にやったのだろう。負担なく体重は落とせるが、その分、リカバリーが遅くなる。それでも、勝ち上がるにつれ、リカバリーができて、体が反応して動くようになった。

 五輪3連覇は頭の中にあると思うが、まずは体を休めて、次に向けてスタートしてほしい。一二三の柔道は強引に技を仕掛けて勝利にもっていくスタイル。その力強い柔道を幹に、枝葉をつけていくことが大事になる。足技や、力を抜いた技のキレを身につけていけば、柔道の幅は広がり、より強くなるだろう。

 ライバルたちは次の五輪に向けて、すでに動いている。若い選手が一二三に挑戦して、それを王者が跳ね返す―。国内で切磋琢磨(せっさたくま)すれば、66キロ級の選手層が厚くなるし、レベルもさらに上がっていく。楽しみになってきた。(1996年アトランタ五輪男子71キロ級金メダル、旭化成総監督・中村兼三)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください