【パリ五輪】スケボー女子金の超新星、吉沢恋「金メダルをとったことに驚き」名前は「恋」と書いて「ここ」

金メダルの吉沢恋(右)と銀メダルの赤間凛音(カメラ・小林　泰斗）

◆パリ五輪　第３日　▽スケートボード女子ストリート決勝（２８日、コンコルド広場）

　【パリ（２８日）＝ペン・手島莉子】初出場１４歳の吉沢恋（ここ、ＡＣＴ　ＳＢ　ＳＴＯＲＥ）が、金メダルを獲得した。「率直にうれしいなって思うのと、自分が金メダルを取ったことに驚きがあります」。ラストの試技は金メダルが確定してのウイニングラン。「自分が１位っていうのが決まって泣きそうだったんですけど、用意してきた技を決めるって最初からずっと考えていた。気を抜かずに決めたいと思って臨んだ」と最後まで攻め続け、堂々と表彰台のてっぺんに立った。

　名前は「恋」と書いて「ここ」と読む。スケボーが初採用された２０２１年東京五輪は「『あ、スケートボードが五輪に出ている』っていうくらいのテンションでテレビで見ていました」という。それまでは練習するだけで大会に出場した経験はなく「自分がどのレベルにいるとかって全然分かりませんでした」。

　ただ、実力は兼ね備えていた。東京五輪で金メダルを獲得した西矢椛（サンリオ）らに刺激を受け、本格的に大会に出始めると、同年１２月に行われた日本選手権で５位。２２年６月から始まったパリ五輪予選シリーズでも着々と結果を残し、最終戦では優勝もかっさらった。

　３年前にテレビで見ていた西矢がとった色と、同じ色のメダル。「自分も行きたいなって思っていたので、それを次の五輪っていうこのパリでかなえられたのが一番うれしい」と最高の笑顔だった。

　◇吉沢　恋（よしざわ・ここ）２００９年９月２２日、神奈川・相模原市生まれ。１４歳。スケートボードをしていた兄の影響で７歳から始める。２１年日本選手権５位、２２年パリ五輪予選シリーズ第１戦ローマ）６位。パリ五輪最終予選となった今年５月の上海大会で３位、６月のブダペスト大会で世界大会初優勝。