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【パリ五輪】「スケボーで食べていきたい」決意した14歳・吉沢恋が飛躍した鍵はトランポリン

スポーツ報知 / 2024年7月29日 7時39分

優勝し喜ぶ吉沢恋(カメラ・小林 泰斗)

◆パリ五輪 第3日 ▽スケートボード女子ストリート決勝(28日、コンコルド広場)

 初出場で14歳の吉沢恋(ここ、ACT SB STORE)が、金メダルを獲得した。2021年東京五輪後から大会に出始めた新星が、約3年間で飛躍した鍵はトランポリンでの鍛錬にあった。小学生時代に通っていた神奈川・相模原市の「ジョイスポーツクラブ」。今年2月からスケボーでの安定感などさらなる上達を求めて再開し失敗が少ない、吉沢の基礎を作っている。指導する代表の山田勝昭さんが、吉沢の成長や精神面の強さなどを語った。

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 吉沢はスケボー競技のさらなる安定感を求めて、今年2月からトランポリンを再開した。山田さんは中学生の見せた本気度に衝撃を受けた。「『これから先どういう風に選手としてやりたい?』と聞いたら『スケボーで食べていきたい』と。普段はひょうひょうとしている子ですから、考えているんだって」。改めて、本気で支えたいと思ったきっかけでもあった。

 同施設は、22年北京冬季五輪フリースタイルスキー女子モーグル代表の冨高日向子(23)=タマダイガクク=らトップ選手も通ったことがあり「他のスポーツの教材になります。空中感覚、バランス感覚を養うのにとても良い」と山田さん。スケボーは空中で体をひねる動きが多いため、4台のトランポリンを「飛び移りながら類似した動きをします」と山田さんは明かした。体幹が安定し、自然とバランス感覚が養われ、吉沢も「今までミスしていたところを、空中でバランスをとって転ばなかった。空中での動きの範囲が増えた」などと実感。トランポリンには背、腹、お尻など様々な部位で着地する技もあるため「自分の体をコントロールする力が身につく」と山田さんは言う。けがが少ない吉沢には、空中感覚が備わっているのだ。

 体操で使うソフトマットもスケボーに生かす。1か月に2、3回、スケボー施設が貸し切りにできる時は、父がワンボックスカーでマットを数枚借りに来る。技を練習する際、コンクリートではけがの可能性があるが「転んでも痛くないので、一日に何本も練習できる」と安心して鍛錬を積んだ。吉沢がパリ行きを確定させた6月の五輪最終予選、さらに本番で金メダルを確実にした際に決めた、板を複数回転させながら手すりに跳び乗る大技「ビッグスピンフリップ・フロントサイド・ボードスライド」は工夫した鍛錬のたまものだった。

 謙虚で冷静な姿勢も吉沢の魅力だ。五輪予選では東京五輪金の西矢椛(もみじ、16)=サンリオ=も退けて代表権を獲得した。「それでも『実際は私より実力が上だ』って言っていました」と山田さん。パリ五輪でも「周りの環境が違うから、自分の力が発揮できないということはないと思います。それが彼女の一番の強み。体調さえ崩さなければ、力は発揮できる。どういう選手、社会人になっていくのか楽しみです」という山田さんの思いを知ってか知らずか、見事に金メダルをつかみ取った。無限の伸びシロで今後もトランポリンを原点に飛躍していく吉沢の姿を、楽しみに見守っていく。

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