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【パリ五輪】体操ニッポン金メダル 絶望的状況から中国を3・267点差大逆転 橋本「あきらめなくてよかった」2大会ぶり団体王座奪還 

スポーツ報知 / 2024年7月30日 3時9分

金メダルを手に入れ笑顔を見せる日本チーム(カメラ・岩田 大補)

◆パリ五輪 第4日 ▽体操男子 団体決勝(29日、ベルシー・アリーナ)

 男子の団体決勝で、予選2位通過した日本は、259・594点で金メダルを獲得。2016年リオ五輪以来、2大会ぶりに団体で五輪王者に返り咲いた。予選首位通過した最大のライバル・中国との一騎打ちを制し、王座奪還を果たした。

 橋本大輝は「あきらめなくてよかった。この金メダルをとれて本当によかった (金メダルは)めちゃめちゃ重い」と語った。

 最大のライバルの中国と同じローテーションで演技を行う日本は1種目目の床運動で中国を0・734点リードしたが、2種目目のあん馬で、エースの橋本が落下。前半の3種目を終え、中国が131・364で首位。2位に米国、3位に英国、4位にウクライナと続き、日本は5位で折り返した。

 4種目目の跳馬では橋本が14・900の高得点をマークするなど4位に浮上。首位の中国との差も1・799点に詰めた。5種目目の平行棒では、4種目で最初の演技者を務めた萱が14・733、岡が14・866、谷川が14・766と立て続けに14点後半をマークして2位に浮上。中国とは3・267点差に広がって迎えた最後の鉄棒で、中国がまさかの2度の落下。最後に橋本が14.566点をたたき出して逆転。劇的な展開で2大会ぶりの優勝を果たした。

 前回21年東京五輪は、ROC(ロシア・オリンピック委員会)に0・103点差で敗れて銀メダル。悔しさを知る主将の萱和磨(セントラルスポーツ)は「1秒たりとも0・103っていうのは忘れてはいない3年間だった」と言う。同じく前回出場した谷川航(セントラルスポーツ)も「『今日あんまり動けないな』という日も、それで(悔しさを思い出して)気合いを入れた。失敗しないだけじゃダメ。自分の一番いい演技を目指さないといけない」と3年前の思いを胸に刻み、パリ五輪まで鍛錬した。

 “前哨戦”の2023年世界選手権では日本が団体金メダルを獲得。だが、中国は同時期に開催されていた杭州アジア大会にメインメンバーを派遣していた。本当の意味での「直接対決」はパリ五輪で実現。一方の中国も2016年リオ大会、21年東京大会と連続銅メダルで、パリまでに世代交代を遂げながら進化。「体操王国」のプライドに懸け王座奪還に力を注いできた。

 中国は「一つ一つのポテンシャルはおそろしいくらい高い」と水鳥寿思・強化本部長。特に日本の弱点・つり輪に精鋭がそろい、平行棒では異次元の16点台を出すスペシャリストもいる。だが、エース・橋本大輝(セントラルスポーツ)は「僕はデータが大嫌い。選手の可能性を閉じてしまっている。多分、この5人だったら『そんな目標数値全部超えてやるよ』って気持ちで僕はやってる」。

 日本は層の厚さとチームワークを最大の武器に中国に対抗。世界トップレベルの選手がそろう「過酷な選考会」を勝ち抜いた5人は、「すごく信頼している」と萱は胸を張る。水鳥氏も「ベストなメンバーが選考された。十分金メダル取れると思う」と自信を持った日本代表が完成した。

 個人総合世界王者の橋本、安定感抜群で“失敗しない男”として頼れる主将の萱、跳馬で世界トップクラスの実力を持つ谷川、「日本の宝」として無限大の可能性を秘める岡慎之助、あん馬と鉄棒が武器な大型選手で、遅咲きながら努力で五輪切符を得た杉野正尭(ともに徳洲会)。それぞれの持つ強烈な個性が一つとなり、悲願の団体金にたどり着いた。

 パリ五輪を迎えるにあたって掲げたスローガンは「メークニューヒストリー」。水鳥氏は「体操はすごい歴史があるが、僕たちは僕たち。『僕たちにしかできない体操ニッポンっていうのを見せたい』っていうような話があった」と明かす。ここはまだスタートライン。再び、体操ニッポンの黄金時代を築き上げる。

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