パリ五輪出場を逃した男子テニスの西岡良仁が、アトランタオープンで自身３度目のツアー優勝

◆アトランタオープン　最終日（２８日、米アトランタ）

　　パリ五輪出場を逃した世界ランキング８６位の西岡良仁（ミキハウス）が、自身３度目のツアー優勝を成し遂げた。数度の降雨中断を挟みながら、２日間にわたる激戦で、同４１位のジョーダン・トンプソン（オーストラリア）に４－６、７－６、６－２で逆転勝ちした。西岡にとっては、２０２２年韓国オープン以来のタイトルとなった。

　マッチポイントが決まると、すべての力を出し切った西岡は、手をひざにつき、体を支えた。「信じられないほどうれしい」。度重なる降雨中断で、現地時間夕方に始まった試合は、日付をまたぎ、終了したのが午前０時を回っていた。

　今年は苦しんだ。ツアー本戦で１回勝つのがやっと。昨年末にトップ５０だった世界ランキングも、６月にはトップ１００以下に落ちた。ツアー下部大会に出場し、何とか世界ランキングを上げ、手に入れたかったパリ五輪出場も逃した。

　日本国内では、パリ五輪に注目が集まる。その中、パリ五輪を逃した悔しさをツアーにぶつけた。「今年最初には、（ツアーで）優勝できるなんて信じられなかった」。ツアー３勝目。ツアーで複数回のシングルス優勝は、日本男子で錦織圭以外、西岡しかいない。

　この優勝で、来週の世界ランキングは５０位台に復帰する。もちろん、日本ＮＯ・１の座で、次はトップ５０入り復帰が目標だ。五輪を逃したが、賞金と世界ランキングのポイントをしっかり手に入れた西岡は、プロとして胸を張った。