横審で“公傷制度”の議論が交わされる 山内委員長「本格的にもう一度考えないといけない時がきた」
スポーツ報知 / 2024年7月29日 19時43分
日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会合が29日、東京・両国国技館で開かれた。会合後には山内昌之委員長が会見し、“公傷制度”についての議論がなされたことを明かした。
大相撲名古屋場所で9度目のカド番だった大関・貴景勝(常盤山)が5勝10敗と負け越し陥落が決定。慢性的な首痛にも悩まされていた。「大関は横綱に準ずる自覚と責任をしかるべき地位。そういう中でカド番、陥落に関しては遺憾なこと」としつつ「土俵上における力士の負傷、アクシデントをどのように考えるか。いわゆる公傷制度に関わる問題を本格的にもう一度考えないと、大関になって常に横綱を狙えるポジションの人も、また実は多くのケガや無理をしている。その結果として貴景勝や霧島(音羽山)の今日の状況があるという見方をしないといけない」と語った。
公傷制度は力士がケガをして休場した場合に、翌場所の番付編成で休場を負けと同じに扱わず、番付が下がらない救済措置のこと。1972年の初場所から実施されたが、制度の悪用が続き2003年の九州場所を最後に廃止された。「どんな制度をつくっても、素直に適応して受け入れる場合もあるし、制度に頼って急場をくぐり抜けたいという気持ちが働くも人間だ。したがってデータや材料を集めて問題解決の準備にあたってもいい時がきてもいいのではないか」と悪用を懸念しつつ前向きな姿勢を示した。
「せっかく戻ってきた朝乃山(高砂)が下まで陥落しないといけない。尊富士(伊勢ケ浜)も出場して闘争意欲があったにも関わらず、また休場してしまう。彼らがそういう状況になった時にも制度の許す範囲で。そして彼らにとって、相撲界の貢献や将来の角界の発展などに十分に働いてもらうためにも公傷制度を検討するべき」と考えを述べた。
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