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【パリ五輪】小6で「スケボーをやめる」14歳・吉沢恋、テレビ観戦の東京・西矢椛の金メダルから3年で五輪制覇

スポーツ報知 / 2024年7月29日 22時41分

高得点を記録したベストトリック4回目の吉沢恋の演技(連続写真)

◆パリ五輪 第3日 スケートボード(28日、コンコルド広場)

 28日の女子ストリートで、初出場の吉沢恋(ここ、14)=ACT SB STORE=が金メダルを獲得し、日本勢2連覇を達成した。21年東京五輪をテレビ観戦するまで大会経験すらなかった逸材が3年足らずで五輪のてっぺんにまで上り詰めた。その強さ、攻め続ける姿勢をスケートボード担当の手島莉子記者が「見た」。銀メダルは大けがから復活した赤間凛音(りず、15)。日本勢の年少メダル記録で吉沢は14歳310日の5位、赤間は15歳202日の7位でのワンツー・フィニッシュだった。

 前日の降雨がうそのような、気温30度超のコンコルド広場。五輪制覇を確定させた14歳の吉沢は、パリの風を受けながら、「自分が金メダルを取ったことに驚きがあります」と爽やかな笑顔で両手を天に突き上げた。

 8人が争った決勝、暫定4位で迎えたベストトリックの4回目で勝負に出た。「練習で決められず、ぶっつけ本番みたいな感じだったが、優勝するにはこの技しかないと思った。一番難易度の高い技でメダルを取りたいと思って選んだ」。板を複雑に回転させながらレール(手すり)に跳び乗り、板の裏側で滑り降りる「ビッグスピンフリップ・フロントサイド・ボードスライド」に挑んで成功。100点満点で全選手最高の96・49点をマークし、一気にトップへと躍り出た。

 会場のファンも味方につけた。攻めた大技に日本代表の西川隆監督(58)も「女子でやっている選手は珍しい」と強い意思に舌を巻いた。

 兄の影響で7歳から滑り始めた。ただ、同世代が次々と覚える縦回転の技ができず「小学6年(限り)でスケボーをやめる」と決めていた。転機はコロナ禍だった。外出制限の中、父・功さん(58)の手製レールで比較的得意だった板の「横回転」に時間をかけて取り組んだ。21年東京五輪。テレビ観戦していると、優勝した西矢椛(16)=サンリオ=が横回転の大技を披露しているのが目についた。吉沢が小学5年で習得していた技だった。世界は近いと感じた。

 大会に出始めると同年12月の日本選手権でいきなり5位、22年4月の日本オープンで8位。同年7月の五輪予選で6位に入り、周囲の目も変わった。昨年6月はローマで転倒し、強打した頭蓋骨にひびが入って硬膜外血腫と診断された。療養のため約1か月も現地に足止めされた大けがも乗り越え、トップへの階段を駆け上がった。

 「重い」とはにかんだ金メダルを胸元で光らせた。エッフェル塔を望む会場で「表彰台で初めてきれいな景色が見られた。やっとパリに来ていると実感した」と笑みを振りまいた。「これからも(28年)ロサンゼルス五輪に向かって上達します」。伸びしろしかない14歳。金メダルをつかんだ花の都から、もう次の夢を見ている。

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