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【パリ五輪】最後まであきらめなかった金メダルへの執念 中国の戦略ミスを引き出し、大逆転につなげた…塚原直也氏の視点

スポーツ報知 / 2024年7月30日 5時2分

逆転優勝を果たし抱き合う体操男子代表(カメラ・岩田 大補)

◆パリ五輪 第4日 ▽体操男子 団体決勝(29日、ベルシー・アリーナ)

 男子の団体決勝で、予選2位通過した日本は、259・594点で金メダルを獲得。2016年リオ五輪以来、2大会ぶりに団体で五輪王者に返り咲いた。予選首位通過した最大のライバル・中国との一騎打ちを制し、王座奪還を果たした。

* * * 

 最後まであきらめず、金メダルを取りたいという姿勢を貫いた日本の勝利だと思う。今まで起こらないことが起きるのがオリンピック。5種目を終わって中国と3・267点の差は大きく、正直、逆転は無理かと思った。普通にやれば負けていたが、最後の最後で中国の戦略ミスが浮き彫りになった。

 当初予定されていた選手がけがで直前に代表を外れ、急きょ緊急招集されたのが、鉄棒で2度の落下をした蘇選手だった。中国は、彼に床、跳馬、鉄棒の3種目を任せたが、さすがに無理があったのではないか。跳馬でも着地が崩れるなどミスしており、最後の鉄棒で限界が来たようだ。

 伸身トカチェフで落下し、続くコールマンでは、全く鉄棒をつかめない状態で、頭はパニック状態ではなかったのか。これまで中国と言えば、冷静沈着に戦略を組み立ててきた印象がある。それが、このようなミスをしたのは、少し驚いた。これもオリンピックなのかもしれない。

 日本は、2種目目のあん馬で、橋本選手が落下した以外は、大きな過失がなく、必死に中国を追いかけていた。最後の鉄棒で、予選でミスした着地を止め、金メダルをもたらした橋本選手は、最後でエースの役割を見事に果たした。

 初出場の岡選手は、予選、決勝ともミスがなく、見事なデビューだった。体の線が美しく、橋本選手が2人いるような能力を十分に披露したと思う。重圧からミスが出た橋本選手を、岡選手が支えたのも金メダルを獲得できた理由のひとつだろう。

 勝った瞬間、長く頑張ってきた主将の萱選手の涙を見たら、私もこらえきれなかった。長く選手として頑張っている姿に、自分を重ねてしまい、心をふるわされた。エースのあん馬での落下というミスでも動じず、あきらめずに5人ができる演技をやりきったことが、大逆転につながった。(アテネ五輪男子団体金メダル・塚原直也)

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