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【パリ五輪】柔道・舟久保遥香の敗者復活戦に見た「世界一の寝技」…アテネ五輪金の園田教子氏が分析

スポーツ報知 / 2024年7月30日 16時23分

◆パリ五輪 第4日 ▽柔道(29日・シャンドマルス・アリーナ)

 女子57キロで初出場の舟久保遥香(三井住友海上)が銅メダルを獲得した。2回戦で東京五輪48キロ級銅メダルのダリア・ビロディド(ウクライナ)を延長戦の末下したが、準々決勝で世界ランキング5位のサラレオニー・シシケ(フランス)に開始8秒で一本負け。それでも敗者復活戦を勝ち上がり、16年リオデジャネイロ五輪金メダルのラファエル・シウバ(ブラジル)との3位決定戦を制した。日本柔道に五輪通算100個目のメダルをもたらした舟久保の戦いを、04年アテネ五輪金メダリストの園田教子・警視庁男子監督が分析した。

 * * *

 舟久保は銅メダルを取ることができて、やってきたことは間違いではなかったと感じているだろう。努力が自信につながったと思う。

 初戦は緊張と、動きの硬さと感じた。次のビロディド戦では逆に落ち着きすぎていた。緊張しすぎても、落ち着きすぎてもダメ。勢いがなくなるし、粘りがなくなる。ビロディドが終盤、疲れてくれたので、しっかり対応できたのはよかったが。

 シシケには間合いを詰められ、重心を後ろに持って行かれた。相手は長期戦になると覚悟していたはずだが、ワンチャンスをしっかりものにした。そこがシシケの強さだろう。相手にうまくコントロールされてしまった。

 金メダルの可能性がなくなると、気持ちの持ち方は難しいものだが、「メダルを持って帰る」と切り替えたのだろう。マリツァ・ペリシッチ(セルビア)との敗者復活戦では硬さがなくなった。角張っていたものが取れて、一番、彼女らしい戦い方ができた。緊張感がほぐれていれば、舟久保は本来、もっとアグレッシブだし、もっと粘りのある柔道ができる。危ない場面があっても、しっかり耐えて我慢できた。寝技でもワンチャンスを生かし、腕をきめてから、足を外して横四方固めに移行したが、その動きを見せることで、審判は「待て」をかけずに対応するしかない。審判をしっかり味方につけていた。

 シウバ戦はヒヤヒヤの場面もあったが、よく耐えた。組み手は引くことが多く、これでは相手の重心は前になることが多い。ウォームアップの時は釣り手を使って、うまくさばいていた。同じ方向ばかりではなく、前後左右に相手の重心を動かす「崩し」は重要だ。舟久保の寝技は世界一。それを生かすためには立ち技をもっと磨くこと。同時に、寝技を生かして立ち技で勝負することも。「メダルを取れてよかった」「でも、違う」「やっぱり金だ」―。そう思うことが成長につながると思う。(04年アテネ五輪女子78キロ級金メダル、警視庁男子監督)

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