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柔道・高市未来の敗因 クリシュトが釣り手を押さえて「足技の威力を軽減」アテネ五輪金の園田教子氏…パリ五輪

スポーツ報知 / 2024年7月30日 22時44分

◆パリ五輪 第5日 ▽柔道(30日、シャンドマルス・アリーナ)

 女子63キロ級2回戦で、五輪3大会連続代表の高市未来(コマツ)は、カタリナ・クリシュト(クロアチア)に延長の末、敗れた。ジュニア時代に全日本のジュニアコーチとして指導したことがある2004年アテネ五輪金メダリストの園田教子・警視庁男子監督は自分の経験を重ね合わせながら、かつての教え子の戦いを振り返った。

× × × ×

 未来はクリシュト戦の前半、小外刈りを軸に内股や連絡技などの攻撃は良かったし、組み手も速かった。だが、後半になると、クリシュトは未来の左釣り手を自分の右手で押さえてきた。こうされると、未来は小外刈りに入ろうとしても技が小さくなり、威力が軽減してしまう。未来は釣り手をずらすことで相手の意識を分散させることができて、足技が効いたのだが…。

 本戦が終わり、ゴールデンスコアの延長戦に入ったあと、相手に2つめの指導(偽装攻撃)が与えられた。そのあとで未来が大内刈りを仕掛けたが、それまでは確かに未来の流れだった。だが、そこからなぜか守りに入っていた。あそこからもう一段ギアチェンジして攻めていれば、相手に指導が来る可能性はあった。

 中継での紹介VTRを見て、未来が「少しでも長く畳に上がっていたい」「オリンピックをじっくり感じたい」と話していたのを聞いて、自分の経験を思い出した。私は最初に出場した1996年アトランタ五輪は30秒ほどで負けてしまった。その後の2000年シドニー五輪前は「それ以上、立ちたい」「畳の上に長くいられるように」などと言っていた。でも、五輪は目標を設定しないといけない大会なんです。3度目の04年アテネ五輪の時は、しっかり目標設定して「金メダルを狙う」と自分から言っていた。自分から設定した目標を口にすることで、脳も体も反応できる。

 未来とはジュニアコーチの時に指導していて、東京五輪の後に食事をする機会があった。その時、「なかなか気持ちが戻って来ない」などと話していたが、彼女はその後、グランドスラム東京で優勝したり、3度目の五輪代表になった。東京五輪の後から、もがいて、もがいて、必死になって代表を勝ち取って、今日を迎えることなんて誰にでもできることではない。やってきたことは間違いないと思う。よく頑張った。今、持っているものを全部出したのであれば、それが未来にとっての五輪だったということだろう。(04年アテネ五輪女子78キロ級金メダル、警視庁男子監督)

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