ＢＭＸ中村輪夢、「五輪の夢」金メダルへ 決勝進出が確定…パリ五輪

◆パリ五輪　第５日　▽自転車（３０日、コンコルド広場）

　【パリ（３０日）＝宮下　京香】ＢＭＸフリースタイル・パーク男子予選が行われ、２１年東京五輪５位の中村輪夢（りむ、ウイングアーク１ｓｔ）は、１回目８７・２０点、２回目８６・８７点をマークし、２回の点数の平均で上位９人による決勝進出を確定させた。日本時間３１日夜に決勝が行われる。

　自国開催の重圧を一身に背負った東京五輪は、初代王者を狙ったが、表彰台に届かず５位だった。「悔しさがある」と中村は、すぐにパリへと視線を向けてきた。２２年世界選手権で日本勢初の頂点。日本のエースは確かな自信を手に、２度目の夢舞台に帰ってきた。「前回の悔しさがあるので、より気合いが入っている。絶対にリベンジしたい」と覚悟をにじませていた。

　京都から世界へ―。ＢＭＸがさかんな米国やオーストラリアを拠点とするトップ選手が多い中、中村は、２０年に地元京都に完成した専用のパーク「ＷｉｎｇＰａｒｋ１ｓｔ」を拠点に練習する。昨夏よりサウナも常設され、練習、トレーニング、リカバリーも可能になった。パリでは前回大会と同様にヘルメットに京都の名所の柄を入れており、「京都が大好き。京都から世界一になるストーリーを見せられるように注目を背負って頑張りたい」と語った。輪夢がリベンジを果たし、“五輪での夢”をかなえる。

　◆自転車ＢＭＸフリースタイル・パーク　ＢＭＸフリースタイルの１種目で、制限時間内（１分の走行を２回）に「バンク」と呼ばれる斜面やスノーボードのハーフパイプに似た「ランプ」などが設置されたパークでジャンプや回転などの技の難易度や独自性を競い、１００点満点で順位を決める。日本勢の女子は出場権を取れず、１枠の男子は中村が出場。日本時間３１日午後９時４４分頃に決勝が行われる。

　◆中村　輪夢（なかむら・りむ）２００２年２月９日、京都市生まれ。２２歳。ＢＭＸショップも経営している父・辰司さんの影響で３歳の時に競技を始め、５歳で大会に初出場。中学生でプロ転向し、３年時の１６年に強豪が集う大会「Ｇショックタフネス」で優勝。１９年度Ｗ杯総合優勝。同年ＵＣＩ年間ランキングで日本男子初の１位。２１年東京五輪では５位入賞。１７０センチ、６４キロ。家族は両親と姉。