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柔道・永瀬貴規の81キロ級初の連覇に、アトランタ五輪金の中村兼三氏「練習量は噓をつかない」…パリ五輪

スポーツ報知 / 2024年7月31日 6時0分

優勝し、歓声に応える永瀬貴規(カメラ・小林 泰斗)

◆パリ五輪 第5日 ▽柔道(30日、シャンドマルス・アリーナ)

 柔道男子81キロ級で永瀬貴規(旭化成)が史上初の2連覇を達成した。決勝では世界選手権3連覇中の強敵タト・グリガラシビリ(ジョージア)から1分52秒、谷落としで技ありを奪うと、2分48秒、再び谷落としで一本勝ちを決めた。柔道日本勢の連覇は9人目で、男子では6人目。2016年リオデジャネイロ大会の銅から3大会連続でメダルを獲得したが、男子では1996年アトランタ大会から3連覇の野村忠宏、女子では92年バルセロナ大会から5大会連続の谷亮子(旧姓・田村)に続き3人目の偉業となった。

 永瀬が所属する旭化成で総監督を務めるアトランタ五輪金メダリストの中村兼三氏は現地で活躍を見守り、「練習量は噓をつかない」と活躍をたたえた。

× × × ×

 永瀬の持ち味である勝負強さが出たと思う。シード選手たちを見ると皆、硬くなっているようだったが、永瀬は序盤からペースをつかんでいった。相手が捨て身技の横車を狙っていると、深追いせずに内股をかけるなど、自分の持ち味を生かしながら慎重に攻めていた。

 決勝は、グリガラシビリの組み手になった瞬間に強気で攻めてポイントを奪った。2度目の谷落としも、接近戦で相手の土俵になったが、そこで思い切って技をかけに行けたのが勝因だ。一呼吸でも置いたら逆に相手の技を食らっていたかもしれない。狙い澄まして、ここぞというところで思い切っていった。谷落としという技は、フィジカルが強くて、接近戦が得意という選手が日本ではそう多くないので、国内では仕掛けることは少ないが、海外に行けば、ああいう感じで詰めてくる選手がいるので、ちゅうちょなく出せる。まさに、永瀬の経験が生きた技だ。

 連覇は、本当に練習の成果だと思う。人一倍の練習量が結果につながった。代表の中でも一目置かれるほど、トップレベルの練習量を誇っている。練習量は噓をつかないということを示してくれた。

 リオ五輪の翌年(2017年)の世界選手権で右膝をケガ(右膝内側側副じん帯、前十字じん帯損傷)をして手術を受けたが、それ以降は大きなケガがなかった。膝の状態が悪化するということもなかったのもよかった。

 柔道強国のフランスの観客は目が肥えていて、「投げて勝つ」という選手には自国でも他国でもたたえてくれる。アウェーだったかもしれないが、一本勝ちが期待できる永瀬にしてみれば、そういう会場が乗せてくれた。

 今後は少し休んでから、次のステージに向かってほしいと思う。旭化成の総監督という立場で言えば、試合だけではなく、これからは色んなことを経験してほしい。そして、まるで「自他共栄」を体現するパリの観客のように、柔道の精神というところを伝える人間になってほしい。(1996年アトランタ五輪男子71キロ級金メダル、旭化成総監督)

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