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大岩ジャパン決勝T進出 DF西尾隆矢は3995グラムと生まれながらの屈強な男…母・清美さんが語る

スポーツ報知 / 2024年7月31日 11時30分

幼少期の西尾隆矢(左から2番目)と家族(母・清美さん提供)

◆パリ五輪サッカー男子 ▽1次リーグ第3戦 日本1―0イスラエル(30日、ナント・ボジョワール競技場)

 男子日本代表は3連勝で決勝トーナメント進出を決めた。DF西尾隆矢(C大阪)は初戦・パラグアイ戦は後半、左サイドバック(SB)で途中出場し、2戦目・マリ戦はセンターバック(CB)でスタメン。3戦目・イスラエル戦は右SBで先発出場と、日本初の3戦連続無失点勝利に貢献した。献身的なプレーでチームを支え続ける西尾の幼少期に迫った。3995gのビッグベビーで生まれた屈強な男の母・清美さんが、23年間を振り返った。(取材・構成=森脇 瑠香)

* * * * *

 大阪・八尾市で育った西尾は3995グラムと生まれたときから大きかった。同級生の子たちより、頭一個分どころか、体一回り、二回り大きかったという。

 「幼稚園の頃から、先生の横に並んで、同級生に向かって体操とかしていた。多分、自分が大きいから、小さい子たちのお世話をしてる気分だったのかも(笑い)」

 5歳年上の兄・隆世さんとは真反対の性格だった。「兄ちゃんは大人しかったけど、隆矢は突拍子もないことをする。本当にやっちゃだった。すごい負けず嫌いだし(笑い)」と清美さんは笑う。

 幼稚園の頃、納得がいかないことがあり、園を脱走したことがあった。大慌てで捜索。見つかったとき、西尾は泣くこともなく、ただ機嫌が悪かったという。

 「子どもの頃から筋が通らなかったら、腹を立てていた。『これはこうだから、こうやん!』って。単純に嫌とか、そんなんじゃなくて、ちゃんと理由があって怒っていた」

 自分に厳しいが、周りには優しく、責任感の強い性格は元高校教師の父・隆一さん譲り。野球をしていた隆一さんは子どものためにとサッカーを猛勉強。土日の試合は集合の30分前に必ず着くように送り迎えも務め、時間にも、礼儀にも厳しかった。

 「サッカーは分からないけど、大きい声出せとかはよく注意していた。あいさつもしっかりしなさいって。今の隆矢とそっくり(笑い)。本当は父が野球で、私はソフトボールをしていて、野球をやらせようとしたけど、サッカーだった(笑い)。小学校の時は町のクラブでソフトボールをしていたんですけどね」

 西尾の実家は市内から少し離れた山の中にあった。坂道が多く、「自転車禁止」が町のルール。家に帰るまでの道のりが筋トレだったと清美さんは明かす。

 「山手の家なので、行き来するのに坂道を歩いていた。C大阪ユースに入った中学からは坂を走っていた。だから、足腰は強いと思います」

 今大会でも180センチ超えの相手とぶつかっても、倒れず、負けじと競り合い、世界を相手に体の強さを見せつけている。

 4月のアジア杯・中国戦では、ボールと関係のない位置での接触に対し、レッドカードを受け、前半17分で退場となった。清美さんは、落ち込んでいる息子にメッセージを送ったという。すると、すぐに「迷惑をかけて、ごめん」と返信がきた。

 「そのときにすごく成長したなって感じた。ちょっとうるっときて、泣きかけた。隆矢、頑張ってるんやなって。今回も選ばれて本当にうれしかった。友だちと、パリで現地観戦するんです。楽しみです!」

 家族の愛情をたくさん受けて育ったビッグベビーは世界と戦う日本代表にまで成長した。そして、パリ五輪1次リーグ3試合全てに出場。元気に走る姿を見せ、母への恩返しと、決勝トーナメント出場をかなえた。

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