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【広島】元監督の阿南準郎氏が死去 86歳 監督1年目の1986年に球団5度目のリーグ優勝に導く

スポーツ報知 / 2024年7月31日 14時2分

1986年日本シリーズ・西武・広島・第4戦。試合前の広島・阿南監督

 広島は31日、1986年に広島が優勝した当時の監督、阿南準郎(あなん・じゅんろう)氏が30日に死去したと発表した。86歳。実直で謙虚な人柄で愛され、引退間際の山本浩二や衣笠祥雄を我慢強く起用することでチームをまとめ、監督就任1年目でリーグ優勝に導く手腕を発揮した。通夜・告別式は、すでに家族葬で執り行われた。この日のDeNA戦(マツダ)は監督、コーチ、選手、スタッフが喪章を着用し、半旗で試合が開催される。

 56年に広島に入団。1年目から遊撃手として活躍した。「守備職人」として起用されつつ、68年には近鉄に移籍。70年限りで現役引退し、その後は近鉄のコーチを務めた。74年には広島にコーチとして復帰。75年、ルーツ監督の途中辞任により、古葉監督となったタイミングで1軍コーチとなり、帝王学を学びつつ三塁ベースコーチとして球団創立以来、初の優勝に貢献した。

 86年に古葉監督の後任として、監督に就任。チームの顔ながら引退間際だった山本浩が監督に就任するまでのつなぎ役とも言われ、本人も「誰もやる人がいないから、私がやるだけです」と、公言するほど野心とは無縁だった。真面目な性格で選手をまとめ、就任1年目は、巨人との5・5ゲーム差をひっくり返し、セ・リーグ優勝を果たした。日本シリーズは西武に3勝4敗1分で敗れたが、88年に辞任するまで、Aクラスを守った。

 監督退任後はフロント入りし、取締役育成部長、常務取締役球団本部長兼連盟担当、取締役相談役を歴任した。

 ◆阿南 準郎(あなん・じゅんろう)1937年9月2日、大分県生まれ。佐伯鶴城高から56年に広島入り。現役時代の通算成績は実働15年で1415試合、打率2割1分8厘、34本塁打、254打点、43盗塁。監督として203勝163敗24分け。リーグ優勝1回。

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