「これで悔しいと思っていない人がいたら野球をやめた方がいいと思う」巨人・阿部監督、虎に３タテ許しガツン

７回の攻撃を終え、投手交代を告げる阿部慎之助監督（カメラ・渡辺　了文）

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　阪神９―２巨人（１日・甲子園）

　巨人が今季ワーストタイ９失点で阪神に敗れ、今季５度目の同一カード３連戦３連敗。２位の広島が勝ったため、首位から陥落した。先発の戸郷翔征投手（２４）は５回を今季ワースト６失点で６敗目を喫した。甲子園開場１００周年を迎えた一戦で投手陣が崩れ、先発ローテを変更して臨んだ３連戦で計２３失点。３位の阪神とも０・５差。セ・リーグは上位３チームが０・５差にひしめく。２日からは、本拠のヤクルト３連戦で仕切り直す。

　圧倒された。５連勝し貯金１１で勢い良く甲子園に乗り込んだ巨人が阪神に３連敗。今季５度目、伝統の一戦では初めて同一カード３連戦３タテを喫した。阿部監督は「悔しいの一言に尽きる。これで悔しいと思っていない人がいたら野球をやめた方がいいと思う」と、厳しい表情で受け止めた。３試合で計４０被安打２３失点の完敗。ＤｅＮＡに３連勝した広島に抜かれて１２日ぶりに首位から陥落した。

　「３連敗はできない」と託したエース戸郷が誤算だった。初回の２点、３回の失点、５回の失点は全て四球絡みで５回６失点。「自滅だよね。全部フォアボールが絡んでいるもんね」。２番手・中川が２失点するなど救援陣も流れを止められず、３戦連続２ケタ被安打となる計１３被安打、２戦連続で今季ワーストタイ９失点。「みんな、のまれちゃっているよね」。甲子園球場開場１００周年で大盛り上がりの敵地で大苦戦した。

　後半戦開幕となった２６日からのＤｅＮＡ３連戦（横浜）は赤星、井上、菅野の先発陣で３連勝。今カードは「阪神とカープにぶつけるようにローテーションを組んでいるから。そこはガチンコでいきますよ」と宣言し、今後も週の前半に阪神、広島との対戦が続く日程を見据えて山崎伊、グリフィン、戸郷を並べた。だが山崎伊は５回１失点、グリフィンは４回４失点、戸郷が５回６失点。いずれも長いイニングを投げられず劣勢の展開をしいられた。

　ガチンコローテで跳ね返されたが、下を向いている暇はない。ゲーム差なしで首位に立たれた広島と１週間後に東京Ｄで、その翌週は東京Ｄで阪神と再戦する。「またやり返せるチャンスがあるのでね」。同じ３投手で臨む可能性が高く雪辱の機会はすぐ訪れる。

　攻撃面では試合前まで対右打者の被打率が０割９分８厘、対左打者が２割７分のビーズリーに対して坂本、モンテスを外し、門脇を三塁、泉口を遊撃で起用。左を５人並べて難敵の助っ人右腕から初得点を含む２点を奪う収穫もあった。

　２日からは東京Ｄでヤクルト３連戦。「月も替わったし切り替えるしかない。東京に戻って一つも落とせないつもりで次の阪神戦までやってほしいなと思います」。対阪神は８勝９敗１分けと黒星が先行した。勝負の８月。一戦必勝で仕切り直す。（片岡　優帆）