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柔道男子100キロ超級・斉藤立に兄・一郎さんがエール “斉藤仁の息子”という重圧乗り越え「自分のために優勝を」…パリ五輪

スポーツ報知 / 2024年8月2日 10時0分

いよいよ出陣の斉藤

 パリ五輪の柔道は2日に男子100キロ超級が行われ、1984年ロサンゼルス、88年ソウル五輪を連覇した仁氏(享年54)を父に持つ斉藤立(たつる、22)=JESグループ=が出陣する。最重量級復権と日本柔道史上初の親子金メダルへ挑む立へ、幼少期にともに父の厳しい指導を受けてきた兄・一郎さん(25)がエールを送った。

 立が柔道を始めたのは兄がきっかけだった。一郎さんは小4の時、自宅にあった父の鮮やかな一本をまとめた映像を見て「柔道をやってみたい」と憧れた。父に伝えると「趣味でやりたいのか。強くなりたいのか。どっちだ」と問われた。「やるなら強くなりたい」。その答えに父はうなずいた。「分かった。立も来い」。それが2人の柔道人生の始まりだった。

 父の指導は言葉にできない厳しさだった。道場での練習から帰ると、柔道用に張り替えた自宅の和室で特訓が始まった。足を置く位置を緻密(ちみつ)にミリ単位で指摘された。できるまで終わらない。時計をちらっと見ても「終わりたいのか!」と怒声が飛び、時間の感覚がないまま日付が変わっていた。大阪・梅田駅の地下街のレストランで食事を取るのに並んでいる際、打ち込みをさせられたこともあったという。

 兄弟で猛練習に耐えたが、小学校時代は立が結果を残していく一方で、自身は勝てない日々が続いた。成績で比較されることもあり「何で同じタイミングで始めて同じ練習をやっているのに、立だけ勝ってんだ」と嫉妬も抱いた。父が亡くなってからは性格の違いからぶつかり、兄弟ゲンカに発展することも多かった。

 立が高校2年の時、全国高校総体で優勝する姿を見て思い直した。「だせえな、俺。弟が頑張って努力して結果を出しているのに、ひがんで素直に応援しないなんてかっこ悪い」。周囲は“斉藤仁の息子”と期待する。弟がその重圧と闘い、必死に努力してきたことを痛いほど理解できた。

 だからこそ願う。「みんなが親子優勝というけど、そこは関係ないと思っている。優勝したら、あいつ以外誰のものでもない。自分を第一に考えて、あいつのために優勝してほしい」。家族としての思いのこもった誰よりも熱いエールだった。(林 直史)

 ◆斉藤 立(さいとう・たつる)2002年3月8日、大阪市生まれ。22歳。5歳で柔道を始め、小6で全国少年大会優勝。大阪・上宮中―国士舘高―国士舘大。全日本選手権は19年に史上最年少17歳1か月で出場し、22年に年少3位の20歳1か月で初優勝。22年マスターズ大会優勝。世界選手権は22年2位、23年7位。191センチ、165キロ。家族は母と兄。

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