【阪神】岡田彰布監督“人生の本拠地”で首位・巨人に3連勝「終わってみれば、本当にいい3連戦やったな」
スポーツ報知 / 2024年8月2日 5時0分
◆JERAセ・リーグ 阪神9―2巨人(1日・甲子園)
甲子園開場100周年を迎えた1日、巨人は今季ワーストタイの9失点を喫し、痛恨の3タテを食らった。巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(88)=報知新聞客員=はコラム「勝つ勝つ勝~つ!」で「特別な場所」という甲子園への思いを語り、「気持ちを前面に」と選手へゲキを飛ばした。阪神は「KOSHIEN CLASSIC SERIES」と銘打った記念カードに完勝。打線が3戦合計40安打23得点と爆発し、岡田彰布監督(66)は「本当にいい3連戦やった」と相好を崩した。
今季最多4万7181人の大観衆に包まれ、甲子園の誕生祭を盛大に祝った。記念シリーズの伝統の一戦に3戦3勝。岡田監督は「3試合すべてだけど、きょうは特にいい攻撃。記念の日にいい勝ち方できて本当よかった」と大満足した。初回2死満塁で前川が右前へ先制2点打。中盤は取られたら取り返す理想的な13安打9得点で、今季最長タイの7連勝を飾った。
カード初戦の7月30日。ベンチで打撃練習を見守りながら「ええバッティングするなあ」とほれ直した前川が3安打4打点で主役になった。他の打者にうなずく機会も増えた。開幕から貧打に泣き、同じ場所でぼやき通しだった2週間前と大違い。後半を前に奮起を促した打線は今季初、昨季もなかった5戦連続2ケタ安打だ。「いろいろ変えたからやろ」。球宴前に4番と5番、7番と8番を入れ替えた左右ジグザグ打線。相手の継投を難しくするためだったが、わずかな流れの変化が全体の歯車を劇的に変えた。
阪神の支援者だった亡き父・勇郎さんに連れられ、60年以上前から通う甲子園。68年に江夏豊がシーズン新記録となる354三振目を王貞治から奪った一戦を始め、数々の名場面を目撃した。選手、監督として計3度の優勝。小さな改修、周囲の建物の変化による微妙な風の差など球場の歩みは熟知し、芝が数ミリ伸びれば、すぐに気がつく。そんな“人生の本拠地”の節目。特別な感情は「全然」と平常心を保ちながら、「3タテとは思ってなかったけどな。終わってみれば、本当にいい3連戦やったな」と完璧な“祝辞”を添えた。
波に乗り、恒例の長期ロードへ。首位と0・5差の3位となったが、「帰ってきてからが本当の勝負。(残り)30試合切るくらいか。そっからやろな」と混戦の継続は覚悟している。ゴールは球団史上初のリーグ連覇。新たな歴史の構築は、これからが本番だ。(安藤 理)
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