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虎になったパンダ「4年後に金メダルを獲得」フェンシング日本女子史上初の銅メダル…パリ五輪

スポーツ報知 / 2024年8月2日 22時55分

銅メダルを獲得し、喜ぶ(左から) 宮脇花綸、上野優佳、菊池小巻、東晟良(カメラ・小林 泰斗)

◆パリ五輪 第7日 ▽フェンシング女子 フルーレ団体(1日、グラン・パレ)

 女子フルーレ団体は1日に行われ、3位決定戦で世界ランク4位の日本は、同6位のカナダに33―32で勝利し、銅メダルを獲得。個人・団体を通じ日本女子初となるメダルを獲得した。アンカーを務めた最年少・上野優佳(22)=エア・ウォーター=が、残り49秒に1点差まで迫られたが、鉄壁の守備で逃げ切った。持ち味のフットワークを生かし、カナダとの接戦をものにした。

 長かった。残り49秒、リードはわずか1点。時計は小刻みに止まり、その度に沸き上がる会場。勝利を託された上野は「逃げ切る」と腹を決め、迫り来る相手の猛攻に耐えた。残り0・7秒、ぐっと伸びてきた相手の剣を防ぎ、歴史の扉を開いた。「自分との闘いだった。最高の場面で勝ち切れたのはうれしい」。崩れ落ちた上野に、満面の笑みで駆け寄る3人。日本女子フェンシング界に初の五輪メダリストが誕生した。

 両国とも初の表彰台を懸けたメダルマッチは、手に汗握る死闘に。序盤は互角の戦いも、日本は同点の第4試合からサウスポー対策として、左が利き腕の菊池を投入。「盛り上げて勝ちにつなげたい」と1点リードを奪った。第5試合は上野が差を5点に広げ、流れは日本へ。残り3試合で相手の猛追を全員で封じ込めた。

 7年前の一言から始まった。2017年、強豪国フランスからフランク・コーチが来日。選手、指導者としても五輪でメダルを獲得してきた名将は「君たちは他国から何て言われているか知ってるか?」と選手に問いかけた。「パンダみたいにかわいいチームと言われてるぞ」。負けるとシュンとなり、追い込まれれば試合中でも泣く。世界から「怖くない」(同コーチ)と見られ、「かわいい」と皮肉が込められた。

 「パンダじゃダメ。タイガーにならないとダメなんだ」

 気持ちが変われば、日本は強くなる。「今までは一歩引いてた選手たちが、ぶつかり合っていくようになった」と菅原智恵子コーチ。歴史をかけた3位決定戦で追い上げられる展開。しのぐ姿からは、“パンダ”の面影はなく、4人娘が新たな扉を開いた。

 個人戦は3人いずれも初戦敗退。グランパレの巨大な会場にのまれた。フランク・コーチは「未来は変えられる。メダルを取って帰ろう」と声をかけた。「仲間と戦おうと挑んだ」と東。タイガーになりきれない時もあるが、世界で結果を残す強さを求めてきた。

 メダルを手にした今、次に世界の頂点も視野に入る。23年世界選手権では、今大会金メダルを獲得した米国に勝って、16年ぶり銅メダルをつかんでいる。悲願に手が届く距離まで来た。上野は「金を目指せるチームだと思う」。東も「4年後に金メダルを獲得したい」。日本女子フェンシング界に新時代が到来した。(小林 玲花)

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