「ノア」稲村愛輝、「Ｎ―１」初制覇へ「ストロングマン」特訓を再開「押さえつけていたパワーを爆発させたい」…８・４横浜開幕

ストロングマントレーニングで汗を流す稲村愛輝（左は中嶋代表）

　プロレスリング・ノアの真夏の最強決定戦「Ｎ―１　ＶＩＣＴＯＲＹ　２０２４」が４日、横浜武道館で開幕する。

　６回目を迎える今年の「Ｎ―１」は、Ａ、Ｂブロックにそれぞれ８選手計１６選手が参加。開幕戦の横浜武道館から８月２５日の愛知・名古屋国際会議場大会まで公式戦を行い、９月１日大阪・エディオンアリーナ大阪第１競技場大会にてＡブロック、Ｂブロックの１位選手による優勝決定戦を行う。

　参戦選手が最終調整に励む中、Ｂブロックにエントリーした稲村愛輝が２日、都内で５年前から取り組んでいる「ストロングマン」トレーニングを報道陣へ公開した。

　「ストロングマン」は米国で人気の怪力を競うコンテスト。日本でも大会が開催されており、稲村は２０１９年秋から「日本ストロングマン協会」の中嶋健詞代表に師事し「ストロングマン」トレーニングを実施してきた。

　この日の公開練習では「ログプレス」と呼ぶ丸太状の器具を持ち上げるトレーニングと１００キロのサンドバッグを抱え、担ぎ上げながらスクワットする特訓を披露した。

　中嶋代表は、「ログプレス」を「上に押すので強化されるメインは腕、肩ですが体を支えておくのに体幹、足の力も必要なので全部が強化されます」と説明。さらに「サンドバッグ」を抱える「スクワット」は「体の背面全体を刺激します。さらに持つ状態が不安定なので体幹が常に働き続けなければならないので全身が鍛えられます」と解説し「不安定な物体を抱えたり担ぎ上げたり頭上に上げたりするトレーニングは一般的なバーベルを使ったトレーニングでは絶対にない刺激。こういった特殊な形の器具を使うことによって実際に人を投げる、持ち上げる動きに再現できるのでプロレスとストロングマン親和性が高い」とプロレスに有効な練習であることを説明した。

　公開練習を終えた稲村は、５年前に「ストロングマン」トレーニングをはじめた当時を「どんどんデカくなって強くなった」と振り返り「僕のスタイルは人間をリングに倒れている状態からぶっこ抜いたり、コーナーに押しきったりするスタイルなんで、初めてやった時に思ったのは体の真ん中にでかい芯が通る感じがした。そこが強くなってやりやすくなった。一般的なウェートトレーニングでは得られない。自分の頭より持ち上げる肩に担ぐのは他のトレーニングではできない」と効果を実感した。

　昨年９月から今年６月までの英国などへの海外武者修行中は「ストロングマン」トレーニングはできなかった。今回、「Ｎ―１」初制覇へ向け、パワー強化はもちろん、自らの原点を見つめ直す意味でも中嶋代表に再び弟子入りし「ここに来て改めて体の使い方とか中嶋さんと会って刺激を受けました。抑えつけていたパワーをＮ―１で爆発させたい」と闘志を燃やした。

　８・４横浜武道館での開幕戦ではＧＨＣナショナル王者・佐々木憂流迦と対戦。佐々木を「下からの関節を取ったりとか、超一流の世界を知っている技術」と警戒し「技術にパワーで勝ちたい」と誓った。

　昨年のＮ―１は全敗し海外武者修行を決断した。今年は「失うものはない。気持ちとしては１回でも負けたら去年の全敗と同じくらいの悔しさを味わうぐらいの気持ちでいきます。目指すは全勝優勝です」と宣言した。さらに「ストロングマンコンテスト」にも「挑戦したい」と掲げ、中嶋代表は「出た場合は怖いなと思うぐらい」と警戒していた。

　ストロングマンと化した稲村は公開練習と取材が終わると「ここからは、秘密です」と報道陣に練習場からの退去を求めた。その理由を新しい技を「開発したいんで」と意味深な笑みを残し酷暑のジムへ消えた。

　▼「Ｎ―１」出場選手は以下の通り

　◆Ａブロック

清宮海斗（２年ぶり４回目の出場）

マサ北宮（６年連続６回目の出場）

大岩陵平（新日本プロレス／初出場）

ジャック・モリス（３年連続３回目の出場）

ドラゴン・ベイン（初出場）

ルイス・マンテ（ＤＲＡＧＯＮＧＡＴＥ／初出場）

ジョシュ・ブリッグス（ＮＸＴ／初出場）

※出場予定だった潮崎豪は「胸椎第２棘突起骨折」で欠場。

　◆Ｂブロック

拳王（６年連続６回目の出場）

征矢学（２年連続４回目の出場）

佐々木憂流迦（初出場）

稲村愛輝（２年連続３回目の出場）

イホ・デ・ドクトル・ワグナーＪｒ．（３年連続４回目の出場）

アルファ・ウルフ（初出場）

タイタス・アレクサンダー（初出場）

タビオン・ハイツ（ＮＸＴ／初出場）