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日本バスケ界を変えたホーバス監督 内海氏「指導力は間違ってない」佐々AC「最大限に長所を生かそうとする人」近くで感じた名将のすごさ

スポーツ報知 / 2024年8月3日 14時55分

試合中、選手に声をかけるホーバス監督

◆パリ五輪

 バスケットボール男子で、世界ランク26位の日本は、2日の1次リーグB組最終戦で同12位のブラジルに84―102で敗れ、3連敗。前回の21年東京五輪に続き、3戦全敗で大会を終えた。史上初の「8強入り」を掲げた“史上最強”ホーバス・ジャパンの挑戦が終わりを告げた。

 不戦勝を除き52年ぶりの五輪1勝、そして目標には届かなかったが、23年W杯王者のドイツ戦は第3クオーター(Q)まで互角に張り合い、前回銀メダリストのフランス戦は、八村が途中退場も「大金星」にあと1歩まで迫り、確かな爪あとを残した。世界との距離感が縮まっていることは確か。そこまでチームを作り上げてきたトム・ホーバス監督について、女子のJOMO、JX(現・ENEOS)、そして女子日本代表で長年「タッグ」を組んだ内海知秀氏、男子日本代表の佐々宜央アシスタントコーチ、佐藤晃一アスレティックトレーナー兼スポーツパフォーマンスコーチが語った。

 * * *

 21年東京五輪で史上初の女子銀メダル、そしてパリ五輪に48年ぶりに自力出場し、格上と張り合った男子。番狂わせが難しいと言われる世界で、何度も何度も「不可能を可能」にしてきたホーバス監督。人々は幾度の奇跡を“ホーバスマジック”とも呼んだ。だが、指揮官を知る人たちはそれを「必然」だと言う。

 内海氏は「トムの指導力は間違ってない。結果は必ず出た」と断言する。今回、ホーバス監督の掲げた目標は8強。公表まで要した時間は5か月間。話し合いを重ね、熟考した。それほど、指揮官にとって目標は重要なものだ。「彼は目標を決めた瞬間から『絶対できる』『信じて努力しなさい』と言う。そう指導し続けるのがトム」。

 「何やってるんですか」「言い訳!」。時には怒号が飛ぶ。「あれ、そのままだから(笑い)」。練習は厳しく、「鬼」になる時も。それでも選手はついていく。「トムは怒りながらも『あなたはできるのになぜやらないんだ』『入るんだから打ちなさい』と言葉を掛ける。選手も『自分を信じてくれている人についていこう』ってなるんだと思う」。信頼を言葉で伝えるのがホーバス監督だ。

 「トムさんは最大限に長所を生かそうとする人」。そう語るのは、佐々AC。「ミドルは打たない」「ヒットファーストする」などシンプルにルールを提示し、徹底させ、個々の強みも役割として明確化。「選手も『俺はこうやって生きれる』というマインドになって全員が生き生きしている」と語る。

 必ず目を見て話すことも監督流のコミュニケーション。佐々ACも「何で目そらせたんですか?なんかあるなら言って下さい」と怒られたことがあるという。「怖かった」と笑って振り返るが「自分たちの意見も大事にしてくれる」。

 指揮官は、その日の始まりに必ず自ら一人ずつにあいさつに行く。「何人兄弟?」「お父さんの仕事は?」。たわいもない会話も理解を深める重要な時間。指揮官は「日本人はあんまり質問しない。だから自分から自分のこと言う」と積極的に意思疎通する。

 佐藤晃一氏は「『私はクールな選手が嫌いです』ってトムはよく言うんです。がむしゃらな選手たちを多分、直感的に選んでいる」と明かす。代表合宿は「けがさせるなよ」とコーチの声が飛び交うほど激しく、強度が高い。就任からわずか3年、名将は自らの信念を貫き、日本男子を変えた。

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