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高橋藍「もう一段階、ギアを上げていく」金メダルへつないだセット率突破…米国に敗戦も命運分けた第3セット奪取

スポーツ報知 / 2024年8月3日 22時30分

第3セット、得点を喜ぶ高橋藍(カメラ・小林 泰斗)

◆パリ五輪 第8日 ▽バレーボール男子1次リーグ 日本1―3米国(2日、パリ南アリーナ)

 男子の日本が2大会連続の準々決勝進出を決めた。2日の1次リーグ(L)C組最終戦で米国に1―3で敗れて1勝2敗の3位となったが、各組3位チームのうち決勝トーナメントに進める2チームに入ることが確定した。ストレート負けの場合は、敗退の可能性がある中、2セット(S)を失い崖っぷちに。迎えた第3S、ベンチに下がった石川祐希(28)=ペルージャ=に代わり、高橋藍(らん、22)=サントリー大阪=がエースとして攻守でリードして貴重なセットを25―18で奪った。

 エースとして金メダルへの道をつないだ。2セット先取され、緊張感が高まった第3S。藍は、セットポイントから山内のサービスエースが決まると「ウォー!」と叫び、両拳を振り下ろした。喜びの大きさが背負っていた重圧を物語っていた。米国にストレート負けなら争ったセルビアの結果次第で1次L敗退の可能性もあった。負けはしたが、8強入りが決まり、藍は「正直、予選ラウンドが一番重圧がかかった。準々決勝につながって良かった」と胸をなで下ろした。

 苦しい局面で吹っ切れた。第3Sの頭から、パスが不安定だった石川がベンチに下がり、守備が売りの大塚が出場。藍は「代表では初めて」と石川に代わりエース位置に入ると、守備から攻撃へ軸足を移行した。1―1でクロスへ強打をたたき込むと「ブラボー! ブラボー!」と2回、自らを鼓舞。大きなアクションでチームを勇気づけると、19―14では相手の厳しいサーブに対し、左方向へと飛びついて拾うスーパーレシーブで救った。攻守で躍動して、このセットは4得点。「3セット目はいい雰囲気だったし、チームの軸として得点を取る場面で取れた。非常に良かった」。慣れない位置も「イタリアでやってきたので、むしろやりやすかった」と胸を張った。

 19歳で臨んだ東京五輪から3年。以前はフィリップ・ブラン監督(64)に自信のあった守備でも「細かい指摘を常にされて、しんどい時期もあった」という。指揮官の勧めでイタリアに挑戦して3季を過ごした。英語で会話もできるようになり「信頼を感じる」。指揮官は石川と並び「世界トップの指で数えられるアウトサイドヒッター」と評す。石川を外す選択をした第3Sも、自信を持ってエースとして送り込んだ。

 初戦のドイツ戦の敗戦から持ち直して8強入りした。決勝トーナメントからは負ければ終わりの一発勝負となる。「金メダルの目標を達成するために、やらないといけない立場。ここで勝つためにやってきた。もう一段階、ギアを上げていく」。表彰台の頂点に向け、藍はエースとしての覚悟をにじませた。(宮下 京香)

 ◆パリ五輪の1次L突破条件 12チームが3組に分かれて総当たり戦を行い、各組上位2位までと3位の中で上位2チームが決勝トーナメント(T)進出。順位決定方法は〈1〉勝利数〈2〉勝ち点〈3〉セット(S)率(取ったS÷失ったS)〈4〉得点率(総得点÷総失点)の順で順位を決める。勝ち点は3―0、3―1の勝ちが「3」、3―2の勝ちが「2」、2―3の負けは「1」を獲得。その他の負けは「0」。C組の日本は1勝2敗の勝ち点4でセット率0.857。他組の3位との比較では勝敗と勝ち点が同じB組のブラジルにセット率(1.000)で下回る。だが、A組で突破の可能性を残す2敗のセルビアが3日、カナダとの最終戦に3―0で勝っても勝ち点4、セット率0.833となるため日本を下回る。

 ◆日本がストレートで敗れていた場合 セット率は0.714にとどまり、セルビアがカナダに3―0ならセット率で逆転され1次L敗退となっていた。

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