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残り7秒追いつき延長1点差 フェンシング、男子エペ団体は銀…連覇逃すも連続メダルで“黄金時代”到来

スポーツ報知 / 2024年8月3日 22時35分

パリ五輪のフェンシング男子エペ団体で銀メダルを獲得した日本の(左から)見延、加納、山田、古俣(カメラ・岩田 大補)

◆パリ五輪 第8日 ▽フェンシング(2日、グランパレ)

 男子エペ団体は2日に行われ、21年東京五輪金メダルの日本(加納虹輝、山田優、見延和靖、古俣聖)は、決勝でハンガリーに25―26と競り負けたが、銀メダルを獲得した。連覇は逃したが、2大会連続で表彰台に立った。日本は男子エペ個人で加納が金、女子フルーレ団体で銅メダルを獲得しており、今大会3つ目のメダル獲得。「エペジーーン」の再来とともに、日本フェンシングの黄金期到来を予感させた。

 フェンシングの母国フランスで、日本剣士が躍動した。前回王者の日本は、決勝でハンガリーに25―26で惜敗。敗れはしたが、2大会連続で決勝の舞台で戦った。今大会、個人で日本初の金メダルを獲得したエース加納は「やっぱり、団体の皆で取るっていうのは喜びも4倍」と満面の笑み。隣の見延も「『エペジーーン』ってことですよ。これが、団体にこだわる理由」と万感だった。

 死闘だった。序盤から先行を許す展開。アンカーの加納が、残り7秒3から起死回生の突きで25―25の同点に追いついた。一発勝負の延長戦に持ち込んだが、紙一重で敗れ「相手のフェイントに反応してしまった。悔しい」と加納。ただ、本場欧州で最も人気が高く「キング・オブ・フェンシング」と呼ばれるエペの団体で五輪2連覇こそ逃したが、3年前の快挙がまぐれではないことを証明。「実力で決勝まで上がってこられた」と、確かな手応えも感じた。

 日本は今大会、個人と団体でメダル3個と躍進。今でこそ、都内のナショナルトレーニングセンターには30面のピスト(練習コート)が敷かれた練習場が完備されているが、10年ほど前までは通路に敷かれた4枚のピストで練習していた。場所が足りず、共用練習場を予約しピストを敷いて片付けての日々。時折、「剣の音がうるさい」と肩身の狭い思いをしながらも地道に力をつけてきた。

 08年北京五輪で、男子フルーレで太田雄貴氏が銀メダルを取ったことで、レスリングの元練習場を譲り受けピストは8面に。青木雄介監督(51)が「夢のようだった」と語る練習場に移り、W杯や世界選手権で成績を残した。そして19年には30面の専用練習場が完成。種目の枠を超え日々、切磋琢磨(せっさたくま)し、東京、パリへの日本の躍進につながっていった。

 加納と同学年で初五輪の古俣は、決勝でチーム最多の11得点。層の厚さも増し、28年ロスでは王座奪還に挑む。「歴史として、日本を強くしていきたい」と37歳の見延。エース加納も「ロスでは個人、団体で金メダルを目指して、4年間かけてやっていきたい」と個人2連覇、そして2冠を誓った。フェシング王国、ニッポンへ。「エペジーーン」が、その旗振り役となる。(大谷 翔太)

 ◆フェンシングの団体戦 3人(プラス1人の交代選手)で戦う。1試合は3分間、もしくは5点×試合数に到達した時点で次の選手に交代。45点に到達するか、9試合終了時のスコアで勝敗がつく。

 ◆エペジーーン フェンシングの男子エペ団体チームの愛称。19年頃、男子主将だった見延和靖が取材陣に愛称を聞かれた際に命名。「エペ陣」をもじった造語で「ジーーンと感動させたい」との願いも込めて「ー」を2本使う。21年東京五輪でこのチームが日本フェンシング初の金メダルを獲得。決勝後の会見で見延ら4選手が「エペジーーン」と喜びながら叫ぶと大きな話題となり、同年の新語・流行語大賞にノミネートされた。

◆37歳見延 28年ロス五輪に意欲

 〇…唯一の3大会連続出場の見延和靖はベンチから決勝戦を見守った。劣勢に立つ後輩たちを、時に叱咤(しった)し、「いけるぞ!」と鼓舞。競り負けた試合後は「諦めずに、メンバー3人とも必死に戦う姿が見られた。非常にいい試合ができた」とねぎらった。進化を止めない37歳は、迷わず現役続行を宣言。「今のところやるつもり。けがをしない限りは」と、28年ロス五輪にも意欲をのぞかせた。

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