セントルシアのアルフレッドが女子１００Ｍで金メダル 淡路島とほぼ同じ面積の島国に五輪初のメダルをもたらす

◆パリ五輪　第９日　▽陸上（３日、フランス競技場）

　女子１００メートル決勝は、セントルシアのジュリアン・アルフレッドが、世界歴代８位の１０秒７２（向かい風０・１メートル）の好記録で金メダルを獲得した。日本の外務省のホームページによると、セントルシアは面積が６２０平方キロメートルで淡路島とほぼ同じ。人口は約１８万３０００人。カリブ海にある島国の２３歳が「世界一、足が速い女性」の称号を得た。同時に同国に初の五輪メダル、しかも、金メダルをもたらした。

　アルフレッドは昨年のブダペスト世界陸上で１００メートル５位、２００メートル４位。２００メートルでも活躍が期待される。

　銀メダルは１０秒８７で米国のシャカリ・リチャードソン、銅メダルは１０秒９２で米国のメリッサ・ジェファーソンだった。

　女子１００メートルの世界記録は１９８８年７月にフローレンス・グリフィス・ジョイナー（米国）がマークした１０秒４９。五輪記録は２１年東京でジャマイカのエレイン・トンプソンがマークした１０秒６１。日本記録は２０１０年４月に福島千里がマークした１１秒２１。

　アルフレッド「五輪女王、という響きはとてもいい。今朝、ウサイン・ボルトのレースを全部見た。ウソじゃなくて、本当に全部のレースを見た。（レース直後は）神と、父のことを思い浮かべた。父は１３年に亡くなり見てもらうことはできなかったけれど、この優勝を捧げたい」

　◆セントルシア　中南米カリブ海に浮かぶ島国。外務省ホームページによると、面積は６２０平方キロメートルで淡路島とほぼ同じ。人口は１８万３０００人で、甲府市（１８万４１１４人、７月１日現在）と同規模。首都はカストリーズ。１８１４年に英国植民地となり１９６７年に英国自治領、７９年に独立した。公用語は英語で、セントルシア・クレオール語も使われる。主要産業は観光業、農業（バナナ、ココナツ等）。在留邦人は１６人（２２年１０月）。日から訪れる場合、カナダのトロント、米国アトランタ、英ロンドンなどを経由し３５時間ほどかかる。