米国戦惜敗で突き付けられた現実 なでしこジャパンが国際大会4強以上に進むために求められること…パリ五輪
スポーツ報知 / 2024年8月4日 22時31分
◆パリ五輪 第9日 ▽サッカー女子準々決勝 日本0―1米国(3日・パルク・デ・プランス競技場)
女子日本代表「なでしこジャパン」が、3日の準々決勝で5度目の頂点を狙う強豪の米国に延長戦の末に0―1で敗れた。延長前半アディショナルタイム(AT)2分の失点が決勝点となり、21年東京五輪、23年女子W杯に続く、準々決勝での敗退となった。世界の4強以上に進出するために求められるものとは何か。後藤亮太記者が「見た」。
突きつけられた現実は厳しかった。4万3004人が集結した会場で延長戦までもつれ込む死闘を演じたが、なでしこジャパンは過去39試合でわずか1勝の米国に屈し、またも国際大会の8強で歩みを止められた。1点差以上に遠かった勝利。MF長谷川は「最後の迫力だったり、一つのチャンスを決めきるのはやっぱり米国の方が上だった。ここで勝てないのが自分たちの実力」と悔しさをにじませた。この言葉が全てだろう。
ゲームプランは狙い通りのはずだった。基本布陣は「3―6―1」ながら、守備時は3バックに左右のウィングが5枚のラインを形成し、中盤4人も横並びで、米国の攻撃を封じるべくブロックを組んだ。相手にボールを保持させ、奪ってからの速攻を徹底。ボール保持率は相手の「71%」に対して日本は「29%」。耐えながら好機をうかがっていた。
悔やまれるのはFWトリニティ・ロッドマンに左足でシュートを決められた延長前半AT2分、唯一の失点場面だ。対応した左ウィングの北川は、前半から右ウィングの守屋とともに引いた位置から攻撃するなど、繰り返しの上下動で体力の消耗度は高かった。試合を通して、ボール奪取からゴールまでの距離も遠かった。
右サイドのDF清水梨紗が負傷離脱し、中2日で4試合の体調面を考慮すると、守備から入る戦い方は理解できる。ただ試合後、11年W杯優勝時の日本を率いた佐々木則夫女子委員長が言った。「(ボール)ポゼッションを含めて試合を支配するところは、もっと上げていかないといけない。すごく反省の部分である」。ゴール前での質を上げることはもちろん、強国相手でも、受け身一辺倒の戦いではなく、時として主導権を握ることが必要だろう。
大会では20歳のFW浜野、MF藤野、19歳のMF谷川が得点を決め、若手の台頭も光った。4強以上を目指せるチームなのは間違いない。「世界相手に個人で何ができるかをもっと突き詰めていかないといけない」と長谷川。個人の成長とチームの進化の両輪で、高みを目指したい。(後藤 亮太)
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