フェンシング女子サーブルのエース江村の兄・将太郎さん「美咲が引退するまでは私も選手を続けたい」銅獲得の妹を祝福

銅メダルを獲得し喜ぶ江村美咲（カメラ・小林　泰斗）

　フェンシング女子サーブル団体が銅メダルをつかんだ。会場で応援したエースの江村美咲（２５）＝立飛ホールディングス＝の兄・将太郎さん（２９）がスポーツ報知に独占で喜びの手記を寄せた。

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　銅メダルおめでとう！とても感動的な試合でした。

　両親もフェンシングをしていたので私が始めて、美咲や（弟の）凌平は遊びからでした。大分では家から自転車で約５分の体育館に３人で通った。練習以外の時間は、私はよく家でゲームをして遊んだけど、美咲は活発で、鉄棒やうんていを手のひらの皮がめくれるまでずっとやっていた。人生ゲームはきょうだい３人でやって、みんな負けず嫌い。美咲が勝っていたな。

　私が中学３年、美咲が小学５年の時、父の仕事の関係で大分から東京に行きました。お互いに練習があって気にとめてなかったけど、美咲はＪＯＣエリートアカデミーに入り、海外遠征に出たり、いつの間にか見上げる存在になっていました。美咲と凌平がＷ杯に出て海外転戦するようになった頃、私だけ実力がなかった…同じ血筋でここまで違うのかと思う時期はありました。

　でも美咲が（２１年）東京五輪に出場した時がきっかけで、きょうだいの試合を見るようになりました。五輪は特別感というか。海外の試合もずっとスマートフォンで映像を見るようになり「始まった。頑張れ！」と心から応援できるようになりました。今は、私に振り分けられなかった技術を美咲に全部託して、五輪にも行けたんだぜと思うようになった。フランスはフェンシング発祥地。私ならグランパレでの試合は泣いてでも出たい。五輪って特別な舞台ですね。

　世界選手権で初優勝した時、普通は「優勝おめでとう。何か欲しい？」と私が言うはずなのに、美咲は報奨金でミラーレスカメラを買ってくれました。そこから私はカメラにはまり、社会人向けのコースがある専門の学校に通って。自分でも性能が良く高いカメラを買ってしまって。パリでは、エッフェル塔や、グランパレでは（客席から）美咲を格好よく撮りたいのでたくさん練習してきました。

　私は働きながら車いすフェンシングの指導と並行し、エペをしています。美咲が引退するまでは、私も選手を続けたいと今は思っていて。高校時代に団体戦で出場経験のある全日本選手権に、いつか個人で出てみたいなと、美咲と一緒に出られたらいいな。それが私の目標です。