巨人阿部監督「もうちょいカープのバッターを見習ってほしいな」わすか３安打で球団ワーストの１６度目の完封負け

３回無死一塁、見逃し三振に倒れた泉口（投手・アドゥワ、捕手・坂倉＝カメラ・上村　尚平）

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　巨人０―５広島（６日・東京ドーム）

　巨人が首位・広島を相手に球団ワーストとなるシーズン１６度目の完封負けを喫し、勝負の９連戦の初戦を落とした。先発の山崎伊織投手（２５）は６回に坂倉、末包に連続本塁打を浴びるなど今季ワーストの５失点でＫＯされ４敗目。打線もアドゥワにわずか３安打でプロ初完封を許し、阿部慎之助監督（４５）も「見たまんま」とお手上げだった。広島とのゲーム差は２に広がった。

　攻略の糸口が見えないままゲームセットを迎えた。０―５の９回２死、大城卓が左飛に倒れてアドゥワにプロ初完封勝利を献上。７回以降ノーヒットで場内にため息が充満した。「見たまんまですよね」と阿部監督。広島との首位攻防３連戦初戦は得点できず、９９試合目で球団初のシーズン１６度目の完封負けを喫した。

　アドゥワとは今季２度目の対戦。５月１９日に敵地マツダで６回途中３失点で白星を許して以来だった。序盤から１４０キロ台中盤の微妙に動く速球と縦のカーブに苦戦。５回１死まで無安打に抑えられた。６回２死満塁では大城卓が二ゴロ。５回２死満塁で野間が１１球粘って右前２点適時打を放ったカープと結果的には対照的な攻撃になった。「１５０キロ出なくてもああやって抑えるんだっていうね、お手本のピッチングをされました」。驚くような剛速球や変化球があるわけではないが術中にはまった。

　試合後、阿部監督が「きょう１個だけ苦言を呈したいんだったら」と自ら切り出したのは「８番・遊撃」で先発した泉口の３回無死一塁からの見逃し三振だった。「泉口の全部見逃して帰ってきたっていうね。もうちょいカープのバッターを見習ってほしいなと思った」。先頭の岸田が四球を選んでこの試合初めて走者を出した直後。見逃し、見逃し、ボール、見逃しで一度もバットを振らずアドゥワを乗せてしまった。

　あえてルーキーの名前を出したのは期待しているからこそだ。「あれだけ選球眼が良いように見せて（打率）２割１分（２割１分３厘）だからね。そこをもうちょい、自分で考えないといけないんじゃないかなと思うし。そういう時も大事だけど、積極的にいく方が大事な時もあるから。あれだったら今の俺でもできるんで。打席に行って振らないなら」。７回は泉口に代打・モンテスを送ってそのまま遊撃の守備に入れた。

　６回５失点の先発・山崎伊についても「見たまんまですよ」と攻撃陣と同じ言葉を口にした。「阪神とカープにぶつけるようにローテーションを組んでいる。ガチンコでいきますよ」と上位２チームとの対戦が続く週前半に山崎伊、グリフィン、戸郷を配置しているが、７月３０日からの甲子園での対阪神３連敗に続いて３連戦初戦に敗れ、首位・広島と２ゲーム差に開いた。

　「完敗だよ。ここで俺が文句言ったって明日打てるわけじゃないし、明日みんな切り替えて頑張ってもらいます」。７日の相手先発は床田。これ以上、カープに離されるわけにはいかない。（片岡　優帆）