ボクシング女子 性別騒動渦中のイマネ・ヘリフが銀メダル以上確定…パリ五輪
スポーツ報知 / 2024年8月7日 6時31分
◆パリ五輪 第12日 ▽ボクシング(6日、ローランギャロス)
ボクシング女子の66キロ級準決勝が行われ、イマネ・ヘリフ(アルジェリア)がジャンジェン・スワンナペン(タイ)を5―0の判定で下し、決勝進出を決め、銀メダル以上を確定させた。体格差を生かして顔面へのストレート、フックなど次々とクリーンヒット。最終ラウンドは疲れが見えたが、大声援にも後押しされ圧倒。「オリンピックのためにこの8年間、努力をしてきた。この瞬間を誇りたい。サポートしてくれた人にも感謝したい」と喜んだ。
ヘリフは国際ボクシング協会(IBA)管轄下で行われた昨年の世界選手権で性別適格性検査に不合格とされている選手。1日の2回戦では開始46秒で相手選手が棄権し、その後、女子ボクシングで性別をめぐる議論に発展していた。ヘリフと同じく、同選手権の検査で合格しなかった台湾の林郁婷も57キロ級に出場しており、準決勝に進出し、メダルを確定させている(ボクシングは3位決定戦を行わず)。
IBAは組織運営などを問題視されて統括団体としての承認を国際オリンピック委員会(IOC)から取り消されており、パリ五輪はIOCの管轄下で開催されている。2人の出場はパスポートの性別が女性であることなどが根拠となっているが、IBAは2日までに「競技の公平性と選手の安全に深刻な問題を引き起こしている」と、声明を発表し、IOCを批判している。
その後、IOCのバッハ会長が3日に記者会見で性別を巡る議論が過熱していることについて「(IOCとして)2人が女子であることに疑いの余地が生まれたことは、過去にも決してなかった」も言及している。
5日にはIBAのクレムレフ会長が、記者会見し、2人のテストステロン値が男性並みに高く、昨年の世界選手権の性別適格検査で不合格となったと強調していた。
また、台湾体育署の鄭世忠署長は6日、林郁婷の性別を巡り、IBAが誤った情報を発信し続け五輪の正常な進行を妨害しているとして「厳正な抗議」を表明。法的措置も辞さないとしており、台湾のオリンピック委員会がIBAに警告書を出した。
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