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文田健一郎が金メダル!決勝で敗れた東京五輪の雪辱「苦しい期間もあって」猫レスラーがグレコで日本勢40年ぶりの頂点…パリ五輪

スポーツ報知 / 2024年8月7日 3時5分

優勝した文田健一郎(カメラ・岩田 大補)

◆パリ五輪 第12日 ▽レスリング(6日、シャンドマルス・アリーナ)

 男子グレコローマンスタイル60キロ級で21年東京五輪銀メダリストの文田健一郎(ミキハウス)が初の金メダルに輝いた。決勝で曹利国(中国)を4―1で下した。日本勢のグレコローマンスタイルでは1984年のロサンゼルス五輪の宮原厚次以来、40年ぶりの快挙となった。

 文田は「一番は3年前の決勝のことをすごく思い出します。紆余曲折あって、経験したことないような苦しい期間もあって、それと同じくらい楽しいこともあって、トータルしてプラスが上回っていたので、今回優勝できた」と感想を語った。

 昨年の世界選手権で対戦した曹との再戦となった決勝。第1ピリオドでは文田は序盤から前に圧力をかけた。3ポイントを先制しても積極的に攻撃を仕掛け、3―0で第2ピリオドに入った。1ポイントを失ったがリードは保ったまま。そのまま攻め続けて勝負を決めた。試合後に相手がチャレンジをしたが失敗。1点加算されて4―1で終了となった。

 5日は2回戦でデアルマスロドリゲス(キューバ)に11―1のテクニカル(T)スペリオリティ―で、準々決勝ではメヘディ・モフセンネジャド(イラン)9―0のTスペリオリティ―でそれぞれ快勝。世界選手権2連覇中のジョラマン・シャルシェンベコフ(キルギス)を得意のそり投げを決めて決勝に進んできた。

 自国開催だった21年東京五輪は優勝候補の本命として臨んだが、持ち味の投げを徹底的に警戒され、頂点を逃した。東京五輪後は本来のレスリングを捨て、勝ちに徹する堅実なスタイルで戦った時期もあった。だが、昨年の世界選手権決勝でシャルシェンベコフ(キルギス)と対戦。真っ向勝負を挑んできた相手に触発され、敗戦の中で原点を取り戻した。

 今大会の準決勝はシャルシェンベコフとの再戦だった。0―1の第2ピリオドに代名詞「そり投げ」で一挙4点を奪って逆転。相手の反撃で2点を返されたが、4―3で競り勝った。試合後、マットの上で「明日2人で勝って、これが真の決勝だったと言えるようにしよう」と敬意を持って伝えた。世界選手権を2連覇していた相手の無念の思いも背負い、決勝の畳に立っていた。

 無類の猫好きで「にゃんこレスラー」の異名を取る。試合で着用した赤い靴下には、両足に同じネコ科の虎の絵が描かれていた。「『わさび』と『しょうが』です。一緒に戦ってます」。日本に残してきた2匹の愛猫の姿を重ね、力を得た。無観客だった東京五輪では味わえなかった大歓声にも感激した。「ちょっと泣きそうになった。これが五輪かって」。代名詞の「そり投げ」。背中から腰にかけての柔軟性を生かした大技で勝ち上がってきた。

 自らが愛してやまない猫のようにしなやかなこともあり「猫レスラー」の異名を持つ男。観客席では東京五輪後の22年6月に結婚した妻・有美さんと1歳の長女・遥月(はづき)ちゃんが見守っていた。「娘にも、負けているところは見られたくない。世界一のパパになるために、金メダルをしっかり持って帰りたい」と誓い、父の雄姿を見せた。

 ◆文田 健一郎(ふみた・けんいちろう)1995年12月18日、山梨県出身。28歳。ミキハウス所属。出場種目はレスリング・グレコローマンスタイル60キロ級。韮崎工、日体大卒。五輪は21年東京銀メダル。17、19年世界選手権金メダル。そり投げが得意で愛称は「猫レスラー」。168センチ。

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