バレー協会・川合俊一会長が誹謗中傷に声明を発表「見過ごすことはできません」「敵味方をこえて、愛のある応援を」
スポーツ報知 / 2024年8月7日 22時35分
公益財団法人日本バレーボール協会(JVA)の公式インスタグラムが7日に更新され、パリ五輪におけるネット上の誹謗(ひぼう)中傷について、川合俊一会長が声明を発表。「怒りに任せた暴力的なコメントやアスリート本人の尊厳を傷つけるようなメッセージ」に警鐘を鳴らした。
バレーボール競技が終えたことを報告し「SNSを通じた応援もアスリートたちの大きな力となりました」と感謝。「SNSのコメントやメッセージは形に残ります。頂いたメッセージを試合の前に何度も読み返して大事な瞬間に臨むアスリート、試合後に一つひとつ丹念に目を通して明日への活力につなげるアスリートがいます。時には厳しいお言葉もあるでしょう。しかし、愛とリスペクトのこもったメッセージであれば例えそれが批判であっても、選手力向上に向けたスパイスとなり選手にとっての活力になります。そういった皆さんからのメッセージはいつでも大歓迎だと思っています」と前置きした。
一方で「怒りに任せた暴力的なコメントやアスリート本人の尊厳を傷つけるようなメッセージ。悪口をいうことで人を傷つける行為、いわゆる『誹謗中傷』を見過ごすことはできません」と言葉を強め、「パリ2024オリンピックの期間中にも多くの話題となっていますし、残念ながらバレーボールに関するものも散見されます」と実情を伝えた。
「私も球技経験者です」と自身の体験も踏まえて「生身の人間が体を動かし咄嗟(とっさ)の判断と瞬発力、そして互いの呼吸でプレイする球技では、百発百中の成功はありません。今日の試合で最高の出来だった選手も次の試合ではミスをする。今日の試合でミスを連発した選手も次の試合では最高のプレイを繰り出して勝利に貢献する。うまくいく日、いかない日、誰にでも同じようにそういった日が巡ってくる。だからこそ、一人ではなく全員でお互いをカバーしながらチームとしての最高のパフォーマンスを追求する。そこにドラマと感動が生まれます」と説明。「ひたすら追いかけてきたオリンピックという舞台で、国の威信をかけて戦うことができる高揚感、そして胃が痛くなるような緊張感。オリンピックで戦うアスリートたちを襲うプレッシャーには計り知れないものがあります」と選手たちの立場に配慮し「どうか、誇りを胸に精一杯戦っているアスリートたちに、競技をこえて、敵味方をこえて、愛のある応援をよろしくお願いいたします」と呼びかけた。
パリ五輪ではアスリートへのSNSを通じた誹謗中傷が社会問題に。今月1日には日本オリンピック委員会(JOC)が声明を発表し「心ない誹謗中傷、批判等に心を痛めるとともに不安や恐怖を感じることもあります。TEAM JAPANを応援いただく皆さまには、誹謗中傷などを拡散することなく、SNS等での投稿に際しては、マナーを守っていただきますよう改めてお願い申し上げます」とし、「侮辱、脅迫などの行き過ぎた内容に対しては、警察への通報や法的措置も検討いたします」と強い態度を示した。バレーボールでも散見され、8強で敗退した男子の小野寺太志は試合後に自身のX(旧ツイッター)で誹謗中傷の被害を受けていることを明かした。
【声明全文】
パリ2024オリンピックも13日目を迎え、TEAM JAPANの連日の活躍に盛り上がりを見せています。
バレーボール競技も、バレーボールの男子と女子、ビーチバレーボール女子の3種目に出場し、それぞれの戦いを終えました。日本から、現地から、世界各国からの応援、ほんとうにありがとうございました。
会場やテレビの前での応援はもちろん、SNSを通じた応援もアスリートたちの大きな力となりました。SNSのコメントやメッセージは形に残ります。頂いたメッセージを試合の前に何度も読み返して大事な瞬間に臨むアスリート、試合後に一つひとつ丹念に目を通して明日への活力につなげるアスリートがいます。時には厳しいお言葉もあるでしょう。しかし、愛とリスペクトのこもったメッセージであれば例えそれが批判であっても、選手力向上に向けたスパイスとなり選手にとっての活力になります。そういった皆さんからのメッセージはいつでも大歓迎だと思っています。
一方で、怒りに任せた暴力的なコメントやアスリート本人の尊厳を傷つけるようなメッセージ。悪口をいうことで人を傷つける行為、いわゆる「誹謗中傷」を見過ごすことはできません。パリ2024オリンピックの期間中にも多くの話題となっていますし、残念ながらバレーボールに関するものも散見されます。
私も球技経験者です。生身の人間が体を動かし咄嗟の判断と瞬発力、そして互いの呼吸でプレイする球技では、百発百中の成功はありません。今日の試合で最高の出来だった選手も次の試合ではミスをする。今日の試合でミスを連発した選手も次の試合では最高のプレイを繰り出して勝利に貢献する。うまくいく日、いかない日、誰にでも同じようにそういった日が巡ってくる。だからこそ、一人ではなく全員でお互いをカバーしながらチームとしての最高のパフォーマンスを追求する。そこにドラマと感動が生まれます。
ひたすら追いかけてきたオリンピックという舞台で、国の威信をかけて戦うことができる高揚感、そして胃が痛くなるような緊張感。オリンピックで戦うアスリートたちを襲うプレッシャーには計り知れないものがあります。
どうか、誇りを胸に精一杯戦っているアスリートたちに、競技をこえて、敵味方をこえて、愛のある応援をよろしくお願いいたします。
公益財団法人日本バレーボール協会
会長 川合俊一
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