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グレコ日下尚・家族とつかんだ金メダル 「スポーツを楽しむ」両親の思いを体現

スポーツ報知 / 2024年8月8日 22時50分

小中と相撲に取り組んだ日下尚(家族提供)

◆パリ五輪 レスリング男子グレコローマンスタイル77キロ級(7日・シャンドマルス・アリーナ)  ▼決勝  日下尚(三恵海運)5―2ジャドラエフ(カザフスタン)

 男子グレコローマンスタイル77キロ級で初出場の日下尚(23)=三恵海運=が金メダルに輝いた。決勝でジャドラエフ(カザフスタン)を5―2で下し、フリースタイルを含めて日本勢では最も重い階級での優勝となった。女子マラソンで2000年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さん(52)にあやかって「尚」と名付けられたレスラーは、同じ五輪の舞台で頂点に立った。

 日下尚(23)=三恵海運=の両親は観客席で金メダルを見届けた。父・省二さん(55)は「最高ですね。まさかメダルを取るなんて」と感激。母・晃子さん(53)も「パリに来て眠れない日が続いていたけど、尚が勝つんだと信じて気持ちを落ち着けていた」と明かした。

 00年のシドニー五輪を2人でテレビで見て、高橋尚子さんの姿に感動した。母は「苦しくてトップを取ったらやめたいと言う方もいっぱいいる中で、すごく楽しく走り終えた。そんなスポーツの楽しみ方をする人に憧れた」。2文字で呼びやすい名前にもしたかった。「尚にしよう!」。これ以上ない名前だと直感して決めたが、それから約24年。「まさかこんなに名前が話題になるなんて思ってもいなかった」と照れた。

 家族の前では努力する姿を見せなかった。秘めた競技への思いを知ったのは大学進学時。「もっと強いところでやりたい。日体大に行きたい」と伝えてきた。4人きょうだいの進学の費用など家計も考え、即答はできなかったが、最後は背中を押した。母は「(日下が)負担をかけたとすごく感じていたようです」と振り返る。

 社会人になると、すぐに「自分で払うから」と、家族割契約だった自身の携帯電話を解約するため、帰省してきた。初任給で高級ディナーに招待され、レストランに行くと「育ててくれてありがとう。おいしいものをいっぱい食べてください」と手紙が置いてあった。孝行息子が、名前の通りに五輪を楽しんで終えた。(林 直史)

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