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コロナ禍で見えた 安楽宙斗の生きる道…両親が語った素顔

スポーツ報知 / 2024年8月10日 6時5分

軽快に登る安楽宙斗(カメラ・小林 泰斗)

◆パリ五輪 第15日 ▽スポーツクライミング(9日、ルブルジェ・スポーツクライミング会場)

 スポーツクライミング男子複合の安楽宙斗を支えてきた父・武志さんと母・久美子さんが、銀メダルを獲得した息子の成長や素顔を語った。(取材・構成=手島 莉子)

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 宙斗は安楽家で、伸び伸び育てられた。「人見知りだけど、心を開くと非常におしゃべりな子でした」と久美子さんは幼少期を振り返る。「少しでも興味を示したことをやらせてみる」が、子育て方針。音楽に興味を持ちギターやキーボードを買ったこともあったが、最終的にはまったのが、スポーツクライミングだった。運命の出会いは小2の夏休み。武志さんがダイエットなどを理由に親子で始めると、息子は初回から「登る楽しさ」に魅了された。夏休み中はほぼ毎日、学校が始まってからも週4日で通うようになった。

 とにかく登ることが好きだった。「1回登ったら他の人と代わり、次の自分の番まで待つように注意したのですが、順番を待つ時間も惜しかったみたいで…」と武志さん。同じ壁を連続で使うことは注意されるため、毎回違う壁を登り、“スパイダーマン”のようにずっと壁に張りついていた。当時の店長も「気づいたら壁をずっと登っている子がいる」と言うほどだったという。

 大会に出始めると、友達と遊ぶ暇もなくなった。小5の時に「普通の小学生に戻りたい」と言うほど。転機は中1、コロナ禍で数か月、競技と離れたことだった。壁を登ることができず、ストレスがたまる日々。スポーツクライミングが生きる道だと分かった。「気持ちが切り替わっていた」と武志さん。競技に没頭すると著しい成長を見せ、初のシニアW杯参戦となった昨季は、ボルダー、リード共に年間総合王者に輝く史上初の快挙を果たした。武志さんは「冷静に課題を持ち帰り、次の大会までに取り組む計画性と継続力がどんどん成長している」と目を細める。

 アロマセラピストの久美子さんは「寝る前にアロマセラピートリートメントをして、リラックスさせることも心掛けています」と話す。手が重要な競技のため、母の手作り保湿ローションとクリームは海外遠征の必需品。また、夜の散歩、ドライブ、カフェなどでの何げない家族との会話も、宙斗を常に自然体にさせる。「五輪というものを心から楽しんでほしい」という両親の愛情を受け、息子は銀メダルを手にした。(手島 莉子)

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