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レスリング樋口黎が金メダル「たくさんの挫折と絶望を味わってきた」「一歩踏み出す勇気を与えられたら」…パリ五輪

スポーツ報知 / 2024年8月10日 3時39分

優勝した樋口黎(カメラ・岩田 大補)

◆パリ五輪 第14日 ▽レスリング(8日、シャンドマルス・アリーナ)

 男子フリースタイル57キロ級で16年リオ五輪銀メダリストの樋口黎(ミキハウス)が金メダルに輝いた。決勝でスペンサーリチャード・リー(米国)を4―2で下した。レスリングの金メダルは初日から4日連続。日本勢の夏冬通算200個目の金メダルにもなった。

 第1ピリオドは場外ポイントで2点を失い、第2ピリオドへ。タックルから2点を奪い同点に追いつき、終了間際で2点を加えて相手を寄り切った。

 樋口は20歳だった16年リオ五輪で銀メダルを獲得したが、21年東京五輪はアジア予選でわずか50グラム超過で計量失格するなど減量に苦しみ、代表を逃した。その悔しさを糧に、減量について自己流で猛勉強。自身の体と向き合い、昨年の世界選手権で銀メダルを獲得し、2大会ぶりに五輪のマットに帰ってきた。

 日体大の同期で長年、切磋琢磨(せっさたくま)してきた文田健一郎(ミキハウス)が6日に金メダルを獲得。21年東京五輪銀メダルの雪辱に成功した姿にも刺激を受けた。互いに「2人で金メダル」と誓い合って臨んだパリの舞台で、盟友との約束も果たした。

 樋口は試合後、「金メダルを取るまで簡単な道のりではなかったですし、たくさん負けて軽量失格もしてたくさんの挫折と絶望を味わってきた」とこれまでの苦悩を振り返った。「これを見て応援してくださってた人たちもスポーツだけでなく、たくさん挫折や絶望があると思うんですけど、この大会を通して希望や感動や一歩踏み出す勇気っていうのを、くじけたときにそこから踏み出せるパワーを与えられたんだとしたら、スポーツの力として伝わってると思いますし、アスリートとしても本懐でこれ以上ない頂上であると僕は思います」とテレビを通して応援してくれた人たちに向け、語った。

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