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【甲子園】金足農 初戦突破ならず涙…高橋佳佑主将“兄超え”をエース・吉田大輝らに託す

スポーツ報知 / 2024年8月10日 8時51分

9回2死一、二塁、金足農・高橋佳佑が二飛に倒れゲームセットとなる(カメラ・豊田 秀一)

◆第106回全国高校野球選手権大会第3日 ▽1回戦 西日本短大付6―4金足農(9日・甲子園)

 金足農(秋田)は西日本短大付(福岡)に4―6で敗れ、準優勝した18年以来の初戦突破はならなかった。6点を追う9回に4安打を集め、敵失などで2点差まで追い上げたが及ばなかった。1番・中堅の高橋佳佑主将(3年)は仲間たちへの思いや、準優勝メンバーで兄の佑輔コーチ(23)とともに戦った1年を思い、大粒の涙。達成できなかった“兄超え”は、エース・吉田大輝(2年)ら後輩たちに託す。

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 涙が止まらなかった。相手の校歌を聞いていても、アルプス席にあいさつしても、ベンチに戻ってくるときも、金足農・高橋主将はずっと泣いていた。2点差まで詰め寄った9回は2死一、二塁で打席が回ってきたが、二飛に倒れて最後の打者となり「みんなが『佳佑につなぐぞ』と言ってくれたのに、打つことができなくて申し訳ない」とまた涙。試合も相手エース・村上太一(3年)の変化球に手こずり、8回まで無得点だったことが響いて「自分たちのやりたかった野球ができなかった」と悔やんだ。

 球場全体を味方につけて猛攻をみせた。6点を追う9回、18年の準優勝時も使っていた巨人のチャンステーマ「Gフレア」の応援に合わせて、内野席から大きな拍手が発生。先頭打者からの3連打で1点を返すと、その後も左犠飛や適時失策などで4―6まで追い上げた。「応援してくれている、背中を押してもらっていると感じました」と高橋主将。大逆転劇へあと一歩まで迫ったが、打てずに悔しさが残った。

 6歳差の兄・佑輔は、吉田の兄・輝星(23、現オリックス投手)と同じ準優勝メンバー。昨年からコーチに就任し、家でも学校でも近くにいる存在となった。佑輔コーチは、弟だが主将だけにチームのことを言う機会も増えたことで「この立場になってから、ほぼ家では話さなくなりましたね」。ときにはわざと外出することで、主将の気が休まる環境ができるよう配慮したという。複雑な関係性ながら、チームのためを思って奮闘してきた主将に、「どこにいても気が抜けない中、チームをまとめてここまで連れてきたのはあいつのすごさ。褒めるというより尊敬します」。弟ではなく主将として最大級の賛辞を贈った。

 1学年下で、高橋主将が自ら「金農来いよ」と誘った吉田とともに戦うのも、これで最後。「吉田と野球がやれて良かったですし、楽しかったです」と振り返った。果たせなかった“兄超え”の日本一は、吉田をはじめとした後輩たちに任せた。「もう一回頑張って甲子園に来て、勝ってほしい」と思いを伝えた高橋主将は、「甲子園は特別な舞台でした」。兄と同じ舞台でプレーした誇りと勝てなかった悔しさを胸に、聖地を去る。

(有吉 広紀)

 ★金足農・武藤一斗内野手(1年生ながら7番・遊撃でスタメン出場。9回に中前適時打)「(土は)持ってきていないです。(甲子園でのプレーは)悔しかったけど楽しかった。また戻ってきて優勝したい」

 どこまでも青く広がる空を何度も見上げては、力をもらった。金足農の2番・近藤暖都(はると)右翼手(3年)が1回1死からチーム初安打となる右前打を放つと、9回は先頭打者でチームを勢いづける左前打。秋田大会前に急逝した父・章さんを思い、遺骨の入った小さな容器をポケットにしのばせて戦った。

 「何度も空に手を合わせて力を貸してもらった。甲子園という場所で、最後はお父さんの力をもらってああいうプレーができた」と泣きながら振り返った近藤。後輩たちに向けて「また甲子園に来ていい結果を残して、金農旋風を起こしてほしい」とエールを送った。

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