世界女王の鏡優翔が初戦突破で準々決勝に進出 コンタクト外れるハプニングも動じず レスリング女子フリー７６キロ級…パリ五輪

　◆パリ五輪　第１６日　▽レスリング（１０日、シャンドマルス・アリーナ）

　女子フリースタイル７６キロ級１回戦が行われ、鏡優翔（ゆうか、サントリー）がヘネシスロサンヘラ・レアスコバルデス（エクアドル）に２―０で勝利。準々決勝に進出した。第１ピリオド（Ｐ）は接触で鏡のコンタクトが外れるハプニングはあったが、動じなかった。相手の消極的な姿勢で１点を先制。第２Ｐではアクティビティー・タイムを課せられたが、相手の足を取って場外へ押し出して１点を加え、試合終了となった。

　２０２３年世界選手権を制し、最重量級の日本女子では浜口京子以来、２０年ぶり世界女王となった実力者だ。ただ今年５月に、右膝内側側副じん帯を損傷。全治２か月と診断されるアクシデントに見舞われた。五輪を目前に落ち込む気持ちがあったが、けが翌日にはリハビリを開始。５月下旬には「リハビリもトレーニングも毎日充実している。今はパリの金しか見えてない」と前を向いていた。

　実戦から遠ざかり、ぶっつけ本番とも言える状況で臨んだ大舞台。女子最重量級としては日本勢初の金メダルに向けて好発進した。

　◆鏡　優翔（かがみ・ゆうか）２００１年９月１４日、山形市生まれ。２２歳。小学１年でレスリングを始め、中学３年でＪＯＣエリートアカデミーに入校。帝京高で全国高校総体を３連覇し、東洋大に進学。今年４月からサントリー。世界選手権は７６キロ級で初出場の２２年に３位。２３年優勝。全日本選手権は２階級で３度優勝。