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樋口黎 悲願の金メダルは日本代表夏冬200個目のメモリアル! 東京落選乗り越え最軽量級36年ぶり快挙

スポーツ報知 / 2024年8月10日 22時15分

男子フリー57キロ級で金メダルを獲得し、雄たけびを上げる樋口(カメラ・岩田 大補)

◆パリ五輪 第15日 ▽レスリング(9日、シャンドマルス・アリーナ) 

 9日の男子フリースタイル57キロ級で樋口黎(れい、28)=ミキハウス=が頂点に立った。決勝でスペンサーリチャード・リー(米国)を4―2で下した。2大会ぶりに出場した五輪で、銀メダルだった16年リオ大会の雪辱を果たし、男子フリーでは1988年ソウル五輪48キロ級の小林孝至以来、36年ぶりの最軽量級制覇。日本勢の夏冬通算200個目の金メダルにもなった。

 8年前の銀メダルを金色に変えた。樋口は決勝で終了間際にも2点を奪って4―2で勝ち切ると、雄たけびを上げた。「簡単な道のりではなかった。たくさんの挫折と絶望を味わってきたけど、自分は絶対、金メダルを取れると信じてきた」。諦めずにつかんだ勲章は最軽量級では36年ぶり。「日本のフリースタイルが世界一だと証明できてホッとしている」と胸を張った。

 20歳で出場した16年リオ五輪で銀メダルを獲得した。伝統の最軽量級のエースとして期待されたが、21年東京五輪はアジア予選でわずか50グラム超過で計量失格。その後の代表決定プレーオフは高橋侑希に敗れた。「その時のやり方で持てるパワーは全部出し切った」と後悔はなかったが、次への課題は明白だった。

 「YouTube」でボディービルダーが紹介する減量の動画をいくつも見た。論文も研究。ローファット(低脂質)とケトジェニック(糖質を制限して脂質を取る)の食事を使い分け、カロリーや食べる時間、量、間隔を計算して自炊した。語れば止まらない“減量マニア”に変貌(へんぼう)した。

 ただ、8キロの減量幅は限界を超えていた。65キロ級に上げることも選択肢だったが、湯元健一コーチ(39)にパリ五輪を57キロ級で挑戦すると伝えた時、「無理だ。命に関わるぞ」と猛反対された。それでも、首を縦に振らず、東京五輪と同じ伝統の階級にこだわった。「スポーツに限らず、いろんな挫折や絶望を味わって、腐ってしまうのは簡単。そこから立ち直って次の目標に向かう姿を見てくれている方々に届けられたら、アスリートとして本懐」。命を削るような険しい道を超え、パリで生きざまを示した。(林 直史)

◆金城梨紗子が見た 勝負のポイント

 決勝のリー選手(米国)には、得意の片足タックルをマークされているのが分かっていたので、第2P、両足タックルに切り替えて攻めていきました。これが功を奏して、同点に追いついたのが試合のポイントだったと思います。6分間を通して、相手の動きに対して、自分の戦法を修正していく賢い試合展開で、必死で攻めてくる相手を最後までコントロールしていました。

◆樋口 黎(ひぐち・れい)

 ▽生まれとサイズ、家族 1996年1月28日、28歳。大阪・吹田市。164センチ。妻・優貴さん(29)と2月に生まれた長女・凪(なぎ)ちゃん。

 ▽競技歴 4歳で始める。霞ヶ浦高、日体大を経て、21年からミキハウス所属。13年に高校6冠。世界選手権は61キロ級で22年優勝、57キロ級で23年2位。22、23年は57キロ級で優勝。

 ▽マカロン王子 16年リオ五輪ではマカロンをこよなく愛することから「マカロン王子」の愛称がついた。ピスタチオ味が大好き。

 ▽息抜き ゲーム。最近はe―Sportsでも採用されている「VALORANT」に熱中。

 ▽ムーミン 「のほほんとした感じが好き」とムーミンとムーミンパパがお気に入り。家に特大サイズのムーミンのぬいぐるみが5体いる。

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