【甲子園】「逃げずに、直球で勝負しよう」神村学園・今村拓未が聖地で完投…147球10K
スポーツ報知 / 2024年8月11日 6時15分
◆第106回全国高校野球選手権大会第4日 ▽1回戦 神村学園8―5木更津総合(10日・甲子園)
“真のエース”への階段を上った。今村拓未は覚悟を決めた。8―4で迎えた9回無死満塁。「変化球で逃げずに、直球で勝負しよう」。迎えた庄村を直球で二ゴロ併殺に、さらに山口には直球を4球続けて2ボール2ストライクから最後はスライダーで一飛に打ち取った。9回147球を投げ、7安打10奪三振5失点で完投し、力強く左拳を握った。
“翻意”させた。試合前には継投策を明言していた小田大介監督(41)は、8回の守備を終えて捕手の木下夢稀と相談し「夢稀に(今村は)全く問題ないとはっきり言われた。代える気は全くなかった」とエースに試合を託した。
センバツ以降、不調に陥った。指揮官は「3か月やる。それまでに練習試合で完投できるまで上がらなければメンバーから外す」と突き放した。体力と球の質の向上へ、ダッシュやジャンプなどを徹底的に行った。鹿児島大会決勝では完封勝利を収め「体も心の体力も上がった」と自信に変えた。次戦は甲子園歴代最多勝利を誇る名門・中京大中京。今村の挑戦はまだ続く。(浅岡 諒祐)
◆今村 拓未(いまむら・たくみ)2006年7月9日、佐賀・鳥栖市生まれ。18歳。小学3年時に鳥栖北少年野球で野球を始め、鳥栖中では小郡シニアでプレー。最速144キロ。50メートル6秒4。好きな食べ物はフルーツ。好きな言葉は「雑草魂」。174センチ、80キロ。左投左打。
▼初の2ケタ奪三振 神村学園・今村拓未が10奪三振。鹿児島勢の1試合2ケタKは、11年春2回戦・城南戦の鹿児島実・野田昇吾以来12人目、14度目(夏は10人目、12度目、春2人)、同校投手初だ。
達成投手を見ると、鹿児島実の74年夏・定岡正二、98年夏・杉内俊哉ら12人中、9人が鹿児島御三家(鹿児島商含む)と言われる鹿児島実、樟南(旧鹿児島商工)の投手。2校以外では、30年夏の鹿児島二中・柳場武記、08年春の鹿児島工・内村尚弘と、3人目と珍しい。
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